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中野ミホのコラム「まほうの映画館2」

中野ミホ(Singer/Songwriter)のコラム「まほうの映画館2」
中野ミホが最新作から過去の名作まで映画を紹介します。
●プロフィール:中野ミホ/北海道札幌市生まれ。2009年に結成したバンド「Drop’s」のボーカルとして活動し、5枚のフルアルバム、4枚のミニアルバムをリリース。2021年10月にDrop’sの活動を休止後、現在はシンガー、ソングライターとして活動。ギター弾き語り、ベースを弾きながらのサポートピアノとのデュオ編成やドラムを加えてのトリオ編成など、様々な形態で積極的にライブ活動を行なっている。
●公式サイト:https://nakanomiho.tumblr.com
●中野ミホYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCjvQfnXVg6hTd8C8D6PSQGQ

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第44回「いちばんの魔法は、友達! リトル・ワンダーズ」

2024.11.12 upload

『リトル・ワンダーズ』(2023年:アメリカ)
原題:RIDDLE OF FIRE
監督・脚本:ウェストン・ラズーリ
キャスト:フィービー・フェロ、チャーリー・ストーバー、スカイラー・ピーターズ、リオ・ティプトン、ローレライ・モート、チャールズ・ハルフォード ほか
公式サイト:https://klockworx.com/littlewonders
全国順次公開中


みなさまこんにちは!
いよいよ秋が深まってきましたね。
寒い日も増えてきましたが、体調くずされていませんか?

今回は予告編を見て、かわいい質感の映像だなーと気になっていたこちらを観てきました。

『リトル・ワンダーズ』(原題:『RIDDLE OF FIRE』)
2023年製作、アメリカの作品。
監督・脚本はウェストン・ラズーリ、出演はフィービー・フェロ、チャーリー・ストーバー、スカイラー・ピーターズなど。

舞台はアメリカ西部のワイオミング州。名前入りのバイクを乗り回す悪ガキ3人組“不死身のワニ団”、アリス(フィービー・フェロ)、ヘイゼル(チャーリー・ストーバー)、ジョディ(スカイラー・ピーターズ)は大の仲良し。ある日、テレビゲームで遊ぶ許可をもらう代わりとして、風邪で寝込んでいるヘイゼルとジョディのお母さんのためにブルーベリーパイを手に入れに行くことに。
だが必要な卵を謎の男(チャールズ・ハルフォード)に横取りされてしまいます。
卵を奪い返すために男を追いかけた3人は、魔女(リオ・ティプトン)率いる謎の集団“魔法の剣一味”に遭遇し、怪しい企みに巻き込まれてしまいます。
森で出会った、魔女の娘ペタル(ローレライ・モート)を仲間に、大人に立ち向かう4人。
彼らは無事にパイを手に入れ、ゲームをすることができるのか……?
というお話!

想像以上に大冒険で面白かったー!
子どものパワーは無限大だ!

16ミリフィルムで撮られた映像は色が本当に素敵。
アメリカの大自然、お部屋のインテリア、食べもの、洋服などカラフルでポップな世界が見ていてずっと楽しかったです。
(お母さんの瞳の色と、同じブルーのお部屋、ブルーベリーパイ!が印象的)

アリス、ヘイゼル、ジョディの3人、「不死身のワニ団」は結構ほんとにワルなのですが(ちっちゃいバイクを乗りまわし、欲しいものは基本的に全部万引き。平気で大人にペイント弾を打ちまくる。笑)、なんか3人ともピュアでかわいくて憎めない。
お揃いの黒のコンバースと、ネックレスがかっこいい!

アリスはリーダー的存在で男子ふたりを引っ張っていく。
途中ケンカになると、「一緒にいるとイライラするからついてこないで!」と言っててかわいい。わかる。
ヘイゼルは弟ジョディ思いのいい奴。そしてママが大好き。
アリスに淡い恋心を抱いているのですが、途中卵を自分で食べちゃって彼女にビンタされててかわいそう。かわいい。

そして一番年下のジョディもめっちゃかわいい。
アリスとヘイゼルのケンカを止めたり、ピンチの時に一番に名乗り出たり意外としっかり者。
そして謎の魔法ヒッピー集団の娘で、魔法使いの血を受け継ぐペタル。
彼女がまためちゃくちゃおませでかわいいー。カールのロングヘアが素敵。
なんていうかみんな演技してるという感じが一切なくて自然で、本当にいいなぁ。

謎の魔法ヒッピー集団もなんか上手くいってるんだかいないんだか怪しくていい。
魔女がTシャツジーンズ姿なのかっこいいし、双子の妹たちは70年代ぽくてとても美しいです!
子どもたちからスーパーで卵を横取りしたジョンもザ・アメリカのおじさんて感じで良いなー。

どうして子どもは悪いことや怖そうなことに惹かれてしまうんでしょう。
『スタンド・バイ・ミー』みたいに、みんなと一緒ならこわくないし、どこまでも行ける!
そして彼らにとってのながーい一日が朝日とともに終わるとこも、似ていて良かったな。
実はみんな父親がいないという境遇なのも、絆をより強いものにしていました。

次から次へといろんなことが起きて大冒険なのだけれど、なんと言ってもダンスのシーンが最高だったなぁ。
子どもにしか出せない、魔法のようなキラキラがあのシーンに全部つまってた!
きっと本当に楽しかったんだろうなぁとキュンとしてしまいました。

「ゲームやりたい!!」という純粋な気持ちから、パイを手に入れるためにとにかく突っ走る3人の姿は観ていてやっぱり楽しいしすごく気持ちよかったです(犯罪行為はちょっと気になりましたが笑)。
あそこまで一生懸命に卵を取り返そうとするなんて、大人には到底できない……。
たまには余計なこと何も考えずに全力で体を動かしたい!と思いました。

とにかく子どもたちの瞳の輝きがまぶしかった……。
映画ってそれを残せるから素晴らしいなぁ。
誰にでもあんな時代があったのです!
この映画を観てピュアな気持ちに戻ってみるのはいかがでしょうか。
元気が出るのでとってもおすすめです。

それではまたねー。

© 2024 DONUT



INFORMATION

1stフルアルバム『Tree』
2024年7月31日リリース
収録曲:01.YETI/02.yellow/03.家/04.よふね/05.Sand/06.りんご/07.ice town/08.オートバイ

■ CD販売サイト:https://nakanomihoshop.stores.jp/
■ 各種ダウンロード・ストリーミングサービスにて配信中:https://friendship.lnk.to/Tree_nakanomiho



アルバム『Tree』インタビュー公開中



配信シングル「YETI」
2024年7月10日リリース


LIVE INFORMATION

※バンドセット、弾き語りなど、ライブの最新情報はオフィシャルサイト、公式Xにてご確認ください。
■ 公式サイト:https://nakanomiho.tumblr.com
■ 公式X:https://x.com/miho_doronco12

中野ミホのコラム「まほうの映画館2」ARCHIVE

第1回:「そう、絶対に、愛が勝つ! ジョジョ・ラビット」
第2回:「きみとぼくだけの本当は、誰も知らない。ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
第3回:「どんなに暗く冷たい雨だって、いつかは止むだろう。ブラック・レイン」
第4回:「ゾンビだらけの世の中でも、やさしく、ちょっと笑おう。デッド・ドント・ダイ」
第5回:「雨の街はいつもより、悩ましくロマンチック! レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
第6回:「どうしようもなくても、そばにいて。ハニーボーイ。」
第7回:「夢かもしれない、でも残ってるあの夏の熱。真夏の夜のジャズ」
第8回:「ふたりの居場所は、湖だけ。鵞鳥湖の夜」
第9回:「あきらめるなよ、の言葉は優しさ。ぼくの家族。ヒルビリー・エレジー」
第10回:「ちょっとずつ繋がる、わたしと、わたし! パリのどこかで、あなたと」
第11回:「善悪なんてない、愛だけでいいはずなのに。聖なる犯罪者」
第12回:「その涙は、ほんものの恋! マーメイド・イン・パリ」
第13回:「大切な根っこは、いつもこころの中にある。ミナリ」
第14回:「言葉にならない、胸の奥にある音楽のようにふるえる。メリークリスマス!ミスターローレンス。」
第15回:「愛しているから、つらい。でも笑顔でいてね、ファーザー」
第16回:「それぞれを必死に生きてる、街はどこかやさしい。名も無い日」
第17回:「その光だけが命、たとえ海になってしまっても。ライトハウス」
第18回:「きっと、大丈夫。走り続ける、ドライブ・マイ・カー」
第19回:「小さくても、愛おしいひかり。歌ってよ、スウィート・シング」
第20回:「かっこ悪くても、そのままの自分を歌え! 愛は続いてく、チック、チック...ブーン!」
第21回:「どんなときだってずっと、家族は家族。大丈夫。パーフェクト・ノーマル・ファミリー」
第22回:「なんてしあわせな体験。リアルな魔法でできている世界のはなし。フレンチ・ディスパッチ」
第23回:「きみが居ないくらいなら、星になってしまおう。ガガーリン」
第24回:「マイナーキーで人生を歌おう。アネット」
第25回:「誰も予想できない、未来について話そう。前へ、前へ。カモン カモン」
第26回:「潮風と肌、悩ましい海辺の歌。夏物語」
第27回:「前も後ろもみなくていい、今だけ、あなたのためだけに走る。リコリス・ピザ」
第28回:「どんな世界でも、あなたはずっと歌っていて。ディーバ」
第29回:「それは私たちだけの、時代をも変える合言葉。アムステルダム」
第30回:「永遠なんてないから、今日は手をつないで眠ろう。ホワイト・ノイズ」
第31回:「光と影、永遠の魔法にきらめくさみしさ。美女と野獣」
第32回:「潮が満ちて、永遠に解けない彼女のミステリー。別れる決心」
第33回:「愛がくるしくても、捨てられなかった日記。僕の巡査」
第34回:「どんなわたしも、結局はわたし。ジュリア(s)」
第35回:「赤と青、盲目の恋の行方は果たして…? 苦い涙」
第36回:「キラキラしてなくてもいい、わたしはわたしなだけ! バービー」
第37回:「その夜のすきまに、星は見える? 白鍵と黒鍵の間に」
第38回:「おいしさの秘密は、あったかいハートにある。ウォンカとチョコレート工場のはじまり」
第39回:「自分なりのしあわせと、これから。枯れ葉」
第40回:「フィルムの中だけの永遠を、もう一度。瞳をとじて」
第41回:「少女のころの私、さよなら、またね。パスト ライブス」
第42回:「泥だらけになった先に、大きな愛はきっとある。東京カウボーイ」
第43回:「ほんとの私、あとすこし。時々、私は考える」
第44回:「いちばんの魔法は、友達! リトル・ワンダーズ」

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