
2025.07.22 upload
「FUJI ROCK FESTIVAL '25」開催直前特集
フジロック今週開催! 気になるラインナップをおさらい
「DONUTでは誌面、WEBと数回にわたり「FUJI ROCK FESTIVAL '25」(以下フジロック)特集を展開してきたが、今回は「DONUT 19」に掲載した特集を再編集してお届けする。
これまでフジロックは、まずはヘッドライナーの告知からラインナップ発表をスタートするのが常だったが、今年は第1弾の段階でヘッドライナーを含む国内外のアーティスト60組が出演日別でアナウンスされ、早い段階から音楽ファンは大いに盛り上がった。また、新人アーティストの登竜門的ステージとして知られる「ROOKIE A GO-GO Supported by Levi's®」と台湾の音楽フェスティバル「ROCK IN TAICHUNG」とのコラボレーションや(10月に台湾にて開催)、開催1週間前に人気キャンプサイトエリア PYRAMID GARDENにて単独フェス「PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival」が開催されるなど、フジロックは老舗フェスにも関わらず、常に新しい動きを見せ続けている。今年のラインナップも多様性に富んでいて、世界各国から実に多彩なミュージシャンたちが苗場の地に集結する。いよいよ今週末に開催が迫り期待が募るなか、編集部注目のアクトを紹介したいと思う。
文=秋元美乃/森内淳
FUJI ROCK FESTIVAL '25
2025年7月25日(金)
11:00〜 GREEN STAGE
■ Us/アス(フィンランド)
25日13:00〜 GREEN STAGE(ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA)/15:30〜 GAN-BAN SQUARE(アコースティックセット)/26日 15:10〜 苗場食堂
昨年はフジロック初出演にも関わらず、前夜祭を含め4日間で計6ステージに登場した5人組ガレージロックバンド。ハーモニカ担当を擁するメンバー編成で、ガレージパンク、ブルースなどのルーツを血肉とし、ロックンロールの熱波を広げている彼らは日本でも熱い支持を受け、今年5月に行われた再来日公演も大盛況となった。今年も3日間にわたりいろいろなステージで彼らのサウンドを楽しめそうだ。
13:00〜 GREEN STAGE
■ ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. 山下久美子、甲本ヒロト、釘屋 玄、Us、Liam Ó Maonlaí)/ルート・セブンティーン・ロックン・ロール・オーケストラ(日、フィンランド、アイルランド)
日本屈指のドラマー、池畑潤二 率いる「苗場音楽突撃隊」を中心に凄腕ミュージシャンが集結したフジロックのスペシャルバンド。毎回ゲストを迎え、ロックンロールの歴史を今に繋ぐナンバーをプレイするこのステージ。今年は山下久美子、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、釘屋 玄(暴動クラブ)、Us、リアム・オ・メンリィ(ホットハウス・フラワーズ)のゲスト参加が決定した。演奏曲のみならず、国境を超えたセッションが繰り広げられる。
14:00〜 WHITE STAGE
■ ECCA VANDAL/エッカ・ヴァンダル(南アフリカ)
南アフリカ生まれ、スリランカ系オーストラリア人のシンガーソングライター/ラッパー。幼い頃から多様なアートと音楽に囲まれ、ゴスペルを聴いて育ち、ソウルや90年代R&B、ジャズに夢中になったという彼女は2013年頃から活動を開始し、2017年にアルバム『Ecca Vandal』を発表。IDLESのライブサポートやリンプ・ビズキットのオープニングアクトに抜擢された彼女の、パンキッシュでオルタナティブな世界に注目が集まる。
17:00〜 GREEN STAGE
■ HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER|AAA/ヒョゴ アンド サンセットローラーコースター|トリプルエー (韓国・台湾)
韓国のバンド、ヒョゴと、台湾のバンド、サンセットローラーコースターが2024年にコラボレーション・アルバム『AAA』を制作。2バンドの音楽制作にかける情熱が生んだこのアルバムは、オーセンティックなバンドサウンドを軸にしながら、楽曲がもつ濃密なグラデーションを響かせる作品になった。今回は、そのプロジェクト「AAA」でフジロックに登場する。
19:00〜 FIELD OF HEAVEN
■ MAYA DELILAH/マヤ・デライラ(英)
北ロンドン出身。アデルやFKAツイッグス、キング・クルールらを輩出した名門、ブリット・スクール出身のシンガーソングライター/ギタリスト。2025年3月にはリリースしたニューアルバム『The Long Way Round』は、オーガニックな装いの曲に軸足を置きながら、アルバム中盤ではインストゥルメンタルやファンク色の強い曲も披露。多彩な音楽性を示した作品に仕上がっている。
19:40〜 WHITE STAGE
■ OK GO/オーケー・ゴー(米)
1999年に結成されたシカゴ出身の4人組。今年4月には、2014年以来となるアルバム『And the Adjacent Possible』をリリース。デイヴ・フリッドマン(フレーミング・リップス、テーム・インパラ、MGMTなど)がミキシングを担当した本作は、メロウなナンバーもファンクなナンバーも、リスナーの心をくすぐるポップセンスにあふれている。趣向を凝らしたMVも人気の彼らが、フジロックではどんなステージで魅せてくれるのか。
21:10〜 GREEN STAGE
■ FRED AGAIN.. /フレッド・アゲイン(英)
UKを代表するプロデューサー、DJ。UKラップ、ダンス、ポップスなど、ジャンルを横断した楽曲をプロデュースしている彼は、エレクトロニック・ミュージック界の重要アーティストで、ブライアン・イーノからの影響も。2024年にスクリレックス、フォー・テット、アンダーソン・パーク、サンファ、The Japanese Houseらが参加したアルバム『ten days』をリリース。ステージ上でリアルタイムでビートを操るプレイが、初日のグリーンステージを盛り上げるだろう。
ほか、おとぼけビ~バ~(12:10~ WHITE STAGE)、BRAHMAN(15:00~ GREEN STAGE)、「アトミック・カフェ」の佐々木亮介(a flood of circle)(15:10~ GYPSY AVALON)、エムドゥ・モクター(15:50~ WHITE STAGE)、ROW HOO(16:50~ GYPSY AVALON)、Suchmos(22:00~ WHITE STAGE)など注目メンツが目白押し。
2025年7月26日(土)
11:00〜 GREEN STAGE
■ CA7RIEL & PACO AMOROSO/カトリエル&パコ・アモロソ(アルゼンチン)
アメリカの公的・非営利メディア組織、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が主催する「タイニーデスクコンサート」に登場し、YouTubeにおける世界のトレンドリストのトップ10に入ったのをきっかけにブレイク。コーチェラやグラストンベリーなどからもオファーが舞い込むようになった注目のユニット。ホットなラテンのリズムにクールでアーバンなアレンジという、一見相反する2つの要素をミックスさせ、独特のグルーヴを生み出している。今回は2025年3月にリリースしたアルバム『PAPOTA』を携えてフジロックのステージに登場する。
14:00〜 RED MARQUEE
■ YHWH NAILGUN/ヤハウェ・ネイルガン(米)
ニューヨークを拠点に、インディーシーンで注目を集める4人組エクスぺリメンタル・パンク・ロックバンド。ヤハウェ・ネイルガンともヤーウェ・ネイルガンとも呼ばれている。今年3月に10曲21分という潔さあふれるデビューアルバム『45 Pounds』をリリース。この実験精神に満ちたエレクトロニクス・ロック・パンクは、オーディエンスを体幹から揺さぶる強烈な一撃だ。
14:00〜 WHITE STAGE
■ BALMING TIGER/バーミングタイガー(韓国)
2018年に韓国で結成されたオルタナティブK-POPバンド。彼らは11人のメンバー構成で楽曲制作からMV、アートワークなど全てのプロセスを行うクリエイター集団だ。ロック、ヒップホップ、R&Bなど様々なジャンルを背景に独創性のあふれるサウンドを展開している。
15:50〜 WHITE STAGE
■ FAYE WEBSTER/フェイ・ウェブスター(米)
フォトグラファーやモデルとしても活動しているフェイ・ウェブスターはアトランタを拠点とするシンガー・ソングライター。16歳のときに1stアルバム『Run & Tell』(2013年)をリリース。当初はカントリー色が強かったが作品をリリースしていくごとに、カントリー色が薄まっていき、少しずつオルタナティブなサウンドへ移行。最新作『Underdressed at the Symphony』(2024年)は彼女が辿ってきた道のりの一つの到達点ともいえる作品で、全編、フォーキーなオルタナサウンドに彩られている。「Lego Ring」には同じアトランタ出身のラッパー、Lil Yachtyが参加。今回のフジロックが初来日公演。
16:50〜 GYPSY AVALON
■ Ålborg/オールボー(日)
2022年に横浜で結成された、DONUT注目のバンド。ベースはフォーキーなグッドミュージックだが、そこにトロンボーンが入ることにより、文字通り「独自の」オルタナティブロックへと到達している。楽曲はすべてネイティブな発音による英語詞。革新的なサウンドと相まって楽曲は一聴すると洋楽にしか聴こえない。2024年には1st『The Way I See』を、今年5月28日には配信シングル「So」をリリース。新曲では効果音とノイズを楽器によるアレンジのように取り入れ、楽曲にフィットさせている。フジロックのパフォーマンスに期待していてほしい。
21:10〜 GREEN STAGE
■ VULFPECK/ヴルフペック(米)
Suchmosなど日本のミュージシャンからも熱い支持を受けるヴルフペッは、2011年結成のミニマルファンク・バンド。ソウルやファンクをポップに昇華した楽曲を高い演奏力でプレイ。彼らはデビュー以来、メジャーレーベルとは契約せずに自主制作の道を貫きながらNYのマディソン・スクエア・ガーデンを満員にするという偉業を達成。その模様はYouTubeの公式チャンネルにアップされている。今年、ニューアルバム『Clarity of Cal』(2025年)をリリース。モータウンライクなファンクとソウルを踏襲しながらも、さらに洗練されたポップミュージックへと歩を進めている。今回のフジロックが初来日公演になる。
ほか、ニューダッド(16:00~ RED MARQUEE)、ジェイムス・ブレイク(17:00~ GREEN STAGE)、ジンジャー・ルート(18:00~ RED MARQUEE)、アフリカン・ヘッド・チャージ(19:00~ FIELD OF HEAVEN)、サンボマスター(20:10〜 RED MARQUEE)、コンフィデンスマン(23:30~ RED MARQUEE)、ジェーンリムーヴァー(25:50~ RED MARQUEE)らも見逃せない。
2025年7月27日(日)
17:00〜 GREEN STAGE
■ LITTLE SIMZ/リトル・シムズ(英)
終盤になって隠し玉のように発表されたUKのラッパー、リトル・シムズ。彼女の楽曲はクオリティの高いトラックが特徴だ。様々な音楽をミックスし、トラックだけでも十分に成立するようなサウンドには、もちろんトラックメイカーやプロデューサーの技術力のおかげでもあるが、音楽に対して真摯に、そして貪欲に向き合おうとする音楽家としての姿勢が宿っている。その姿勢は彼女のステージパフォーマンスにも表れている。USラッパーのきらびやかなショウとはまた違うリトル・シムズのステージを堪能してほしい。
18:20〜 WHITE STAGE
■ ROYEL OTIS/ロイエル・オーティス(オーストラリア)
ロイエル・マデルとオーティス・パヴロヴィッチにより2009年に結成されたインディー系デュオ。2024年に、ヒット曲「Fried Rice」「Foam」などを収録したデビューアルバム『PRATTS & PAIN』をリリース。多彩なバックグラウンドを感じさせる本作は、ポップかつサイケな風を吹かせながら、スラッカーロックの手触りもあり、随所に覗くサウンドセンスにワクワクする。祝・初来日。
19:10〜 苗場食堂
■ 百々和宏と69ers/モモカズヒロとシックスナイナーズ(日本)
百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)がソロ名義のユニットして、2023年の秋に有江嘉典(ba&cho/VOLA & THE ORIENTAL MACHINE、杉本恭一& three days ago)、クハラカズユキ(ds&cho/The Birthday、うつみようこ&YOKOLOCO BAND、M.J.Q、OHIO101、SION'S SQUAD)とともに結成。2025年3月に「ロックンロールハート(オーバー&オーバーアゲイン)」を含む初のEP『Rock'n' Roll Heart, Over & Over Again』をリリース。リラックスした雰囲気と、緊張感あふれるプレイとのギャップがフジロッカーを魅了することだろう。
21:10〜 GREEN STAGE
■ VAMPIRE WEEKEND/ヴァンパイア・ウィークエンド(米)
3年ぶり5度めのフジロック登場となるヴァンパイア・ウィークエンド。アルバムごとに異なる手触りをもつ彼らの音楽性はオルタナバンドとしての実験性とポップな側面を併せ持つものだが、2024年に発表した5thアルバム『オンリー・ゴッド・ワズ・アバヴ・アス』は、あらためてVWがVWたるバンド性を強く打ち出すものとなった。現在ツアー中の彼らが、フジロックの大トリを飾る。
21:20〜 苗場食堂
■ THE BOYS&GIRLS/ザ・ボーイズ・アンド・ガールズ(日本)
2011年3月結成。北海道・札幌在住のロックバンド。ワタナベシンゴ(vo>)を中心にヨシダカズマ(gt)、ミカドリク(ba)、オオオカシンノスケ(dr)とともに活動中。ライブハウスのどこにいても、ひとり一人の心に届く歌、心をふるわせるメロディ、心を躍らせるサウンドを放つ彼らは、希望の光を灯すようなバンドだ。来年2026年に結成15周年を迎えるボイガルが、フジロック初登場で苗場食堂のステージに。大きな歌が会場いっぱいに響き渡るに違いない。
22:20〜 WHITE STAGE
■ HAIM/ハイム(米)
カリフォルニア出身の3人姉妹のバンド。古き良きロックのスタイルをオルタナティブというフィルターを通して表現した楽曲は、オーガニックなサウンドによるポップロックという印象と共に、本来ロックが抱えた喪失感や欠落感が立ち込めている。それが結実したのが前作『Woman In Music Part III』(2020年)だ。感情の振れ幅が楽曲の豊かさにもつながった秀作となった。そのハイムが今年6月発表の新作『I quit』(2025年)を携えてフジロックのステージに帰ってくる。「今までしてきた意味のないことを辞めよう」というテーマで綴られた楽曲たちから、今度はどのようなロックがステージの上に立ち上がるのだろうか。
27:00〜 ROOKIE A GO-GO
■ 自爆/じばく(日本)
3日目の「ROOKIE A GO-GO」に出演する自爆。目玉のロックンロールバンドと称される彼らはササキ(gt&vo)を中心に2023年8月にバンド結成。2024年1月にササキ(gt&vo)、武田ガンジー(ba)、汚駄物(ds)、高松名人(gt)がそろい現メンバーに。2025年4月に「天誅」「君はロックしか聴けない」「あの子とセッ クスしたやつ全員殺す」「涙とリビドー」を配信リリース。パンク、ロックンロールを軸に衝動もロマンも爆発させるステージは、ロックファンを惹きつけてやまない未知数のパワーがみなぎっている。彼らが起こすロックンロールの狼煙をフジロックで目撃してほしい。
ほか、メイ・シモネス(12:40~ RED MARQUEE)、グレース・バウワーズ&ザ ホッジポッジ(15:10~ FIELD OF HEAVEN)、鈴木実貴子ズ(15:10~ 苗場食堂)、イングリッシュ・ティーチャー(16:00~ RED MARQUEE)、ザ・ハイヴス(20:10~ RED MARQUEE)、NOT WONK(22:40~ 苗場食堂)らをはじめ、3日間とおして登場する苗場音楽突撃隊や、世界各国からのミュージシャン、DJが顔をそろえる「クリスタルパレス」など、ピックアップしきれないメンツが続々と。
こうして数組ピックアップしただけでもこのフェスがまとう多様性が見えてきて、今年はどう過ごそうかと想像が膨らむばかり。今年は3日通し券と土曜日1日券はすでにソールドアウトしており、期待の高さがはっきりとうかがえる。国内外にはあらゆる個性をもったフェスティバル、イベントが存在するが、出演するミュージシャンたちがこぞって「フジロックは最高!」と語る、自然と音楽と来場者がともにその空間を作り上げる至極の場所が「FUJI ROCK FESTIVAL」なのだ。今年も苗場でアツい3日間が待っている。
© 2025 DONUT
INFORMATION
「FUJI ROCK FESTIVAL '25」
日時:2025年7月25日(金)26日(土)27日(日)
会場:新潟県・湯沢町苗場スキー場
公式サイト:https://www.fujirockfestival.com
<Check!初めてでも安心のフジロックガイド Start Your Fuji Rock>
https://start-your.fujirockfestival.com
<池畑潤二 × 釘屋玄(暴動クラブ) 「ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA」対談>
https://donutroll.tokyo/wd/20250717_fujirock/





