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2022.10.20 upload

VERANPARADEインタビュー

勝手に視野が狭くなっていたかも、ということにも今回の制作で気づけましたね。みんなで手をあげて歌えるような曲じゃなくてもいい曲はあるじゃん、と。「サビらしいサビ、なくてもよくない?」って
――歌王子あび

バンド始動から約8年。宮崎在住のロックバンド、VERANPARADEが1stフルアルバム『VERANPARADE』をリリースした。これまでに発表した2枚のミニアルバムはすでにフルアルバムと言っていいほどの充実作だったので、初のフルを出すと聞いて否が応でも期待値が上がっていたが、彼らはそんな期待を十分に超えた新しい一歩を届けてくれた。活動8年目なのに新しい一歩、というのは、ここ2、3年のあいだにVERANPARADEに起きていたバンドを取り巻く状況にある。2020年にギターのKota Kamimura、2021年にドラムのモッコリが脱退という出来事があるなかで、同時にナガミネヤスヨシという新メンバーを迎え、VERANPARADEは宮崎の地にしっかりと立っていた。加えて、ライブ活動がままならない期間と重なりながらも、宮崎のライブハウスや仲間たちへの思いを歌にし「FRIENDS」というミュージックビデオを公開した( https://www.youtube.com/watch?v=kTW67LSG278 )。歌王子あび(vo&gt)、良き理解者=ゆりえちゃん(ba&cho)、心をゆるせる親友=ヤスヨシ(gt)の3人組となったVERANPARADEが、こうした状況のなかで作り上げていたのがこの1stフルアルバム。新しく英表記になったバンド名を冠した本作には、あふれる思いや覚悟、音楽やまわりのみんなへの愛が刻まれている。

●取材・文=秋元美乃

―― ここしばらくの間に、Kota Kamimuraさん(gt)に続きモッコリさん(ds)が脱退し、ナガミネヤスヨシさん(gt)が加入するという、バンドとしては変化の時期を迎えていたかと思います。

歌王子あび そうですね。Kotaがやめたタイミングでいろいろ考えて、VERANPARADEとして新たにやっていくなら、というビジョンが出来ていくなかで、ヤスヨシをギターに誘おうとすぐに思ったんです。それでモッコリに「ヤスヨシを誘いたいんだけど」と話したら、「俺もまったく同じことを思ってた」って。ヤスヨシは僕が18歳の頃からの友達なんですよ。彼は彼でIn Another Northというバンドでギター&ボーカルをやっていて、めちゃめちゃいいギターを弾くしいい曲を書くんです。彼の持っている感性をVERANPARADEと融合させたらすごくいいんじゃないか、って。それで、彼がバンドに入ってくれることを前提に、勝手に話を進めてましたね。半ば強制的に(笑)。「スタジオ入ろうか」みたいな。

―― 強制的に(笑)。

あび 彼も「お、おう」って感じで一緒にスタジオに入ってくれて。「よし、やろう」となったタイミングで今度はモッコリが脱退することになったんです。だから僕とゆりえちゃんの2人になってしまった時間はなくて、ヤスヨシのおかげで心細さはなかった。もしモッコリが抜けたときに2人だけだったら、ズーンと落ち込んだかもしれないですけど。

ゆりえちゃん たしかに。

あび ちょうど新しいメンバーが入って活性化してるタイミングだったので、やることもたくさんあって悲しむ余裕もなかったというか。寂しいは寂しいけれど、モッコリが新しい道を歩むという気持ちを応援できましたね。それに、モッコリはずっと近くにいるんですよ、今も。

ゆりえちゃん しょっちゅうスタジオにいるよね。

あび 彼には「VERANPARADE名誉顧問」という称号を与えて、グループLINEにもそのままいるんですよ。

ゆりえちゃん なにか(バンドの)連絡をすると「了解!」ってスタンプがきたり(笑)。

―― ははははは。

あび だからステータスとしてギリギリ、VERANPARADE所属ではあるという(笑)。

―― じゃあ第4のメンバーとして在籍しているんですね。

あび はい。やっぱり(コロナ禍で)どうしてもライブができない時期があったので、しんどい時期もあったはあったけれど、現状はそんな感じで楽しくやれています。

―― ヤスヨシさんは、ギター&ボーカルを担当されていたんですね。

ヤスヨシ そうですね。今回はギターで誘われて。

―― フロントマンとギタリストとでは、やはり大きな違いがあるように思いますが。

ヤスヨシ 最初に話を聞いたときに、もう自分が入る前提な感じだったんですよ。それがすんなり自分のなかにも入ってきたというか。「じゃあやるか」って。でも、これがたとえば彼らのバンドじゃなかったら、そうはならなかっただろうし。ギターで誘われたことも、このメンバーだったから受け入れられたのかなと思いますね。

―― 自分も歌いたいのに、とはならなかったんですね。

ヤスヨシ ここではならなかったですね。

あび ずっと親友なんですよ。ヤスヨシは2つ歳下なんですけど、10代の頃から知っているしバイト先も一緒だったこともあって、彼がいがぐり頭のときからかわいがってきたんです。「お前はかっこいいよ、ロックだぞ」とか言いながら(笑)。

―― そうなんですね(笑)。

あび やっぱりモッコリとKotaがやめたことは僕のなかでは大きい出来事で。「この4人でずっとバンドをやれたらいいな」と思っていたのが、自分の力不足とかいろんな状況もあって叶わなかったから、次こそはいろんなことを削っても続けられるバンドにしたいと思ったんです。無理をして続かないんだったら無理をしない。そういう選択も取りたいな、と。

―― はい。

あび 今までは、何をしてでも目指すところに到達するんだ、という気持ちでやっていたけれど、時間がすごくかかったとしても結果的に到達していたらいいんじゃないかという気持ちになってきて。そんなことも考えながら、人間的にも心をゆるしている友達のヤスヨシを誘ったんですよね。僕のこともわかってくれているし。

―― ヤスヨシさんが加入して、気持ち的には新しくバンドをスタートするような感じでしたか?

あび 本当にそういう感じです。

ゆりえちゃん どういうふうになるにしてもベランパレードはベランパレードだよね、って思いつつ、でも何か変えたいね、となってバンド名を「アルファベットにするか」って。

―― それでバンド名がカタカナから英語表記になったんですね。

ゆりえちゃん かっこいいしね(笑)。

あび そうそう(笑)。

―― そして活動8年目にしてフルアルバム『VERANPARADE』が完成しました。手応えはいかがでしょう?

ゆりえちゃん 思ったより買ってもらえていて、それが嬉しくて。やっぱりメンバーもおらんくなったし、ライブもできない期間があったから忘れられてるんじゃないか、みたいに思っていたんですけど、予約してくれたり、ライブのときに(物販で)買ってくれたり。

―― あともうひとつ大きな変化として、事務所のラッキーヘルを離れて自分たちで作った作品になるんですよね。

ゆりえちゃん 今回は自分たちで予約を受けて、宛名を書いて発送して、ということもやったので、いろいろ状況もわかったり。そういうのはよかったなと思いますね。

―― 自分たちの音楽がどんなふうに届いているかがダイレクトにわかりますもんね。

あび それに、自主レーベルとして自分たちでやるとなって、「こんなに大変なことをやってもらっていたんだな」ってことを気づいたし、手を抜けば手を抜いた分だけ、やっぱりそれなりになるし。どんな作業においても。これまで「してもらってあたりまえ」とは思ってはいなかったつもりなんですけど、あらためてラッキーヘルには感謝とか申し訳なさとか、感じるものもあったり。だから、自分たちでそれを超えていかなきゃなって。ちゃんと形にしていくことが、教えてもらった恩返しかな、と。大変だけど、やりがいもめっちゃあります。

―― ラッキーヘルの社長も今の言葉を聞いたらきっと喜びますね。

あび そうだといいなあ。

―― で、今回のアルバム。優しくて凛として、大きなアルバムだなと聴きながら思いました。2ndミニアルバム『スクラップ イン マイルーム』は、きらきらポップなイメージを離れてロックバンドとしての方向性を示した作品でしたが、今作はそういう気負いもなく、たとえば“バーン”じゃなくて“パーン”でもロックが鳴らせるぞ、という強さを感じて。

ゆりえちゃん それは嬉しいな。

あび コロナ禍に入ったタイミングくらいから、宅録で曲を作るようになったんです。「このまま(活動が)止まったら腐ってしまう」と思って。で、めちゃくちゃヘタなんですけど、ベースを弾いたり、リードフレーズを100回くらい録り直したり。それまでは、弾き語りした音をボイスメモで録ってメンバーに聴いてもらってたんですけど、「こうしてほしい」「こういう音を出したい」というのが自分にも出てきて、それをクリアにメンバーに伝えられるようになったんです。ヤスヨシもそれをわかってくれて、アウトプットする手伝いをしてくれたり、サポートのさとしさん(ds)は音楽の引き出しがすごく多くて、いろいろアドバイスをくれたり、ゆりえちゃんは一番、僕の歌をわかってくれているし。そういうメンバーと、楽曲の方向性や根幹となるイメージの部分から一緒に作業できた。だから曲の作り方自体が前とは根本的に変わったんですよね。

―― そういう変化もあったんですね。

あび 喋っている時間のほうが長かったもんね。

ヤスヨシ うん。「ああしたらいいかもね、こうしたらいいかもね」って話しているほうが長かった。

―― よく話し合われていた分、スタジオ作業はうまくいきましたか。

ヤスヨシ 苦戦した曲もありましたけど、思ったよりスムーズにいった曲が多かったかも。

あび 絶対これまでの活動ではあり得なかったのは、1回もスタジオで合わせないままいきなりレコーディングした曲もあるんですよ。録りながらつめていく、みたいな。

―― この曲はどういう光景を見せたい、という部分が重要だったということですね?

あび そうですね。歌詞の世界をできるだけ伝えたいということを根底に置いて制作を進める中で、例えば今までよくやってきた「熱い疾走感のあるサウンド」みたいなアウトプットでは補えないところが自分では出てきて。

―― あびさんの歌詞に、サウンドが寄り添っていくイメージ?

あび 今回のアルバムは、そういう部分がかなり手応えとしてありますね。

ゆりえちゃん 「girls by poolside」は最初は激しい感じの曲だったんですけど、あびの歌詞だったらこっちじゃない?みたいな話をして、今の感じになったり。

―― アルバムをとおして、感情が豊かな印象はありますよね。

あび 歌詞と楽曲の親和性というか、そういう部分は大事にしました。なんというか、たとえば「恋人に振られて悲しくて泣く」じゃなくて、ふとしたときに「おばあちゃんの顔を思い出してふっと涙が出る」みたいな。それって、そのときにおばあちゃんのことを思い出したのは、何か大事にしていることを思い出させる情景や出来事が日常の中に訪れるタイミングがあったということで。僕はそんな情景を歌に書きたいんです。

―― なるほど。

あび お客さんからの感想で嬉しかったのが、「ラインマーカーズ」という曲で<飛びすぎたイルカの群れは NASAが観測した流星群>という歌詞があるんですけど、「あびちゃんの歌だけで聴くよりも、VERANPARADEのサウンドになることによって、イルカが飛んでるのが見えた」って言われて。ああ、僕はそれがやりたかったんだと思いましたね。サウンドに落とし込めたんだなって。

―― 字面以上のものが伝わったんですね。

あび リアリティが増したかなって。

―― ゆりえちゃんは、アルバムを作りながら、バンドの音に対して何か変化や発見はありましたか?

ゆりえちゃん 考え方がめちゃくちゃシンプルになったように思います。『スクラップ イン マイルーム』のときはバーン!とやりたいというのがあったから、いろいろ足し算でやっていたんですけど、今は「いらないものはいらない」と。ポジティブな割り切りというか、余計なことをしなくていいんだって。

―― 今回、サウンドのシンプルさを感じて、その余白の心地よさがあるなと思っていました。

ゆりえちゃん 前はやりすぎてたところはあるかも。

―― 前は前の良さがあって、今回のアルバムにはシンプルさが効いていますよね。

あび バンドを引っ張っていくのはまずはずっとバンドにいる僕とゆりえちゃんだと思ううんですけど、制作面ではヤスヨシとさとしさんにも引っ張ってもらった部分があったんです。「自分の曲はこうだ」と思っていた固定概念が一回更地になって、また組み立てられていくような。だからソリッドになったんだと思いますね。

―― ヤスヨシさんは、初めてアルバムに参加して、自分のどんな役割というか意気込みを感じましたか?

ヤスヨシ もともとKotaさんのギターを聴いていたので、VERANPARADEに誘われた時点で「自分にはKotaさんが弾いていた音は守りきれないな」と思っていたんです。僕がやっていたバンドはベランパレードとは雰囲気がかけ離れた感じだったし、自分の色をVERANPARADEでどう昇華するかが挑戦でしたね。だから新しいものとして、さらにいいものを作れたらな、と。やっぱり負けていられないなという思いもあったので。

―― バンドに参加して、「こういう音でいこう」みたいな瞬間はあったんですか?

ヤスヨシ 誘われた時点で、なんとなくイメージは聞いていたんです。

あび Kotaが抜けた穴を埋めてくれ、という誘い方はしていなくて。あくまで「これからこういう感じの音楽をやっていきたいんだけど」という始まりだったので、イチからバンド作ろうぜっていう気持ちで入ってもらいましたね。自分のギターを弾いてほしい、って。

―― 前作までは事務所のアドバイスなども聞けたと思いますが、今回は自分たちで「これでよし」という曲の仕上がりの判断をしたわけですよね。

あび そうですね。曲を作っていると、自分がどう思うかより、どう思われるか、のほうが比重が大きくなってしまうことも以前はあったんです。だから今はハードルを厳しく設定するわけじゃないけど、自分たちが「これはいいぞ」と思えるかどうかをシビアに話し合ったり判断するようにしようという風になりました。まずは誰かの評価とかじゃなく、自分たちの判断で作れた実感があります。

―― そうなんですね。

あび どっちがよかった、ということではなく。今は、自分の曲のかわいがり方が変わったかな? 出来ていく過程で出来損ないのように感じても、とにかく1曲に仕上げてみよう、みたいな。サビメロが強くて、みんなで手をあげて歌えるような曲じゃなくてもいい曲はあるじゃん、と。やっぱりそこに縛られていたんだなっていうのは少なからずあったので。勝手な使命感というか。勝手に視野が狭くなっていたかも、ということにも今回の制作で気づけましたね。「サビらしいサビ、なくてもよくない?」って。

―― そういう気負いが抜けた感じはサウンドにあらわれていますね。

ゆりえちゃん シンプルに「いい曲だな」って思いながらレコーディングできたのはよかったと思います。

―― 自分たちを信じてやるしかない状態がよかったのかもしれませんね。

あび この3人のほかにさとしさんがいたことで、完全に自分たちだけというわけではないですけど、バランスよく作れたかなと思います。

―― セルフタイトルのアルバムにしようというのはいつ頃決まったんですか?

あび 制作が後半戦になって、ある程度見えてきたところで僕のなかでは『VERANPARADE』かな、と。ベストアルバムではないけど、ここからVERANPARADEとして始まりますよ、こういう感じで僕たちはやっていきますよ、という意味合いでアルバム名をつけたいなと考えていました。でもメンバーに報告するのを忘れていて、ギリギリになって知らせたら「そうなの? 聞いてないっちゃけど!?」みたいな(笑)。

ゆりえちゃん 「へぇー、いいと思います」って(笑)。

―― ははははは。前はライブをしながら曲作りもできたと思いますが、今回はこもった生活のなかでの曲作りをしていた時期もあるかと思います。そのあたりの影響はありましたか?

あび 前向きにならざるを得なかったというか、もう与えられた状況で曲作りを楽しむしか選択肢がなかったんですよね。バンドをやめようとかは微塵も考えなかったし。今できることを楽しくやろうって。

ヤスヨシ そうですね、ジレンマとかはなかったですね。

ゆりえちゃん コロナ禍では、あびが録ったデモ音源を家でパソコンで聴いて、また送って、というやり取りだったけど、そのなかで自分でも何回も何回も考えたりできたし、その結果、引き算もできて。これは自分的には新しいやり方でしたね。楽しかった。やっぱりスタジオだと大きな音を出せるから、雰囲気で「かっこいいかもしれん」みたいなこともあるんですよ。家でやるとそういうのがないから、それぞれの音がクリアにわかるしやりやすかったというのはありますね。

―― ゆりえちゃんのベースも、シンプルなのに歌っているように鳴ってますもんね。

ゆりえちゃん それはミックスがいいのかも(笑)。

―― 「BASE BALL」のコーラスもすごくいいです。

ゆりえちゃん あれは、レコーディングの2日前にあびが歌詞を送ってきて「ここ、ゆりえちゃんが歌うから」みたいな。

あび ははははは。

ゆりえちゃん メロディも歌詞も変わってて、言葉数も増えてて、「入りきらなくない?」みたいな。

あび 「いや、入る入る」って(笑)。

ゆりえちゃん で、「こんなふうに歌えばいい」っていう音源が送られてきて夜中にやり取りして。こんなの、2日後に歌えるわけないって思ってた。

あび もう思い浮かんだらそれしかないって思っちゃうんで。

ゆりえちゃん そこからまたレコーディングでいろいろ変わったしね。私があまり歌声を張って歌えなくて。そうしたら「アホになったつもりで自分を解放して歌って」って。「俺たちはブースの外に出てるから、ひとりで歌って。そこを押したら(録音が)始まるからさ」みたいな。それで夜中にひとりでアホみたいになってわぁっと歌ったんですよ。

あび・ヤスヨシ ははははは!

ゆりえちゃん 結果、いい感じになったからよかったんですけど。「マジかよ!?」ってちょっと怒ってました(笑)。

あび 怒ってたね。

―― そんな経緯があったとは。でもいい曲になりましたね。

ゆりえちゃん アホになった甲斐があったかな?

あび あったね。

―― あと、「いち」という曲に<意味はないけど 意味がないから 続く延長戦>というフレーズがありますが、いま、VERANPARADEがある意味がここに込められているような気がして。

あび 嬉しい。それは嬉しいなあ。そのつもりで書きました。

―― そうなんですね。すごくグッときました。あびくんの歌詞は全曲素晴らしいですが、表現はストレートじゃなくても、また素直に愛情を込められているなと思って。それは「FRIENDS」を作ったことでも何か変わったんじゃないかな、と。

あび そうですね。普段は、たとえば特定の誰かのことを歌にするとき、いろんな人に聴かれるためにどういう風に抽象的にして歌詞を書こうかとなるんですけど、メンバーにも会えない、ライブもできない、友達にも会えない、というような状況になって、そんな余裕がなくなったというか。好きな人に好きと言いたいし、会いたいし、お前と遊びたいんだよ、ってことをストレートに伝えないと、みんないなくなっちゃうような気持ちになって。まず僕がいなくなっちゃうんじゃないかみたいな。表現自体は湾曲したりしているけど、根本としては自分の身近な場所にあるぬくもりとか、生きる上で活力を与えてくれるものに対しての感謝とかリスペクトとか、そういうものをできるだけ素直に伝えられたらなと。今回のアルバムはそういう歌詞になってるかなと思います。もっと“近いもの”になったかな、というか、近くなくなったからこそ、近いものに対する願いというか。近くにいてほしい。

―― それはすごく伝わります。ようやく宮崎以外にもライブをしに行けるようになりましたが、今後のVERANPARADEの活動、いかがですか?

あび それはゆりえちゃんとヤスヨシにも聞きたいな。どうなっていきたい?

ゆりえちゃん 末長く続けていきたいかな。

ヤスヨシ そうですね。

あび 嬉しいなあ。

ゆりえちゃん でも無理して続ける必要はないし、たとえば産休育休とかもあるかもしれないし。そういう話もよくするんですけど、ライフステージに合わせて続けられるようにしたいねって。

―― たしかに、このアルバムはVERANPARADEが続くアルバムだなと感じました。

あび おお!

ゆりえちゃん そう、『スクラップ イン マイルーム』とかはけっこう、はかなかったじゃないですか。刹那的で破壊的で。

あび ははははは。

ゆりえちゃん そういう部分あったよね。でも今回はたしかにそうかも。ライフワークとしてバンドをやれたらいいなって思ってます。

あび VERANPARADE、続いていきます!


歌王子あび 連載「ソファベッド宇宙旅行2」

© 2022 DONUT

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INFORMATION


1stフルアルバム『VERANPARADE』
2022年8月24日リリース
販売サイト:https://veranparade.thebase.in/items/64551032
収録曲:01.Ichi/02.空中翼船/03.ラインマーカーズ/04.FRIENDS/05.girls by poolside/06.たまにいたい/07.記念日/08.Memories(VERANPARADE.ver)/09.BASE BALL/10.幽霊です/11.love you tender/12.いち


ライブ、イベントなどの詳細は公式サイト、公式SNSをご確認ください。
■公式サイト:https://veranpara-de.com
■公式ツイッター:https://twitter.com/veranparade

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