2022.10.12 upload
the twenties インタビュー
それぞれの個性をそのままステージで解放できたらいいなという。そういうスタンスに変わってからは、俺もすごく楽しくなった。結成してから、過去イチ、今がいいんじゃないですかね
――タカイリョウ
the twentiesのライブを見ると、心やからだが解放されていくように感じる。それは彼らの音楽があらゆる境界線を飛び越えたところで鳴っているからにほかならない。ロックンロールとダンスミュージック、洋楽と邦楽、人力とエレクトロといった部分は言うまでもなく、たとえばどんな曲調のナンバーであっても孤独に光が射すような歌や音、メロディが響いている。それがライブでフロアに放たれると、そこに言いようのない高揚感が生まれる。“そこ”とは言うなれば自分の居場所だ。フロアじゃなくても部屋の片隅でもいい。the twentiesが放つロックンロールの光はどんな場所にも届く強さとやさしさがある。先日久しぶりに見ることができたライブではそんなパワーがさらに、はちきれんばかりに炸裂していた。彼らは現在、4ヵ月連続で配信シングルをリリース中で、第一弾「そらのよすが」、第二弾「VENUS」、第三弾「ロックスター」と続き、10月26日(水)に第四弾となる「汚 (読み:オ)」の発表を控えているところだ。今回WEB DONUTでは、一連の新曲群と彼らの近況について話を訊きたいと思いインタビューをオファー。タカイリョウ(vo&gt)、ウルマヒロユキ(gt)、野菜くん(ba)、ダイネソウ(ds)にたっぷり語ってもらった。なお、第四弾配信シングル「汚」についても話してもらったので、曲を先に聴きたいという方は、このインタビューは10月26日以降にご覧ください。
●取材・文=秋元美乃
―― ここしばらくのバンドの近況はいかがですか? ライブバンド、the twentiesにとって動きづらい期間も経てきたと思いますが。
タカイリョウ あまり余計なことを考えなくなりましたね。
―― というと?
タカイ どうしてもライブで密になる・密になりたがる人間なので、そういう部分でライブ中にリミッターがかかることはあったと思います。でも、そのうちにそういう(密になれない)状況でも自分のアゲ方がわかってきてからは、コロナがどうという影響はあまりなかったかな、と。
野菜くん ライブできなかった時期もそんなになかったしね。
タカイ 休んだのは本当に自粛要請されていた期間くらい。
野菜くん ワンマンばかりしていましたね。
タカイ あと、コロナ禍になって、自分がこんなにバンドが好きなんやなって気づきましたね。めっちゃ思いましたもん。それはけっこう変わった部分かも。the twentiesというバンドに対しても、メンバーに対しても。これがなくなったら「俺は本当になんにもなくなるな」って。
ウルマ たしかに、自分を見つめ直す時間にはなったかもね。
タカイ 自分にとってthe twentiesは本当に大事だなって。バンドがなかったら自分は本当にどうしようもない人間で、改めてthe twentiesが一番だと実感した期間ではありました。
―― バンドに対する思いを再確認して、ひたすらワンマンライブをして、歩みが止まる期間はほぼなかったんですね。で、現在は4ヵ月連続での配信シングルをリリース中という。
タカイ 本当はアルバムを出したいと思ってたんですけど、まだコロナのこともあったから、がっつりした作品は来年にしようということになって。でも曲はあるから、来年に向けた動きも見せたくてシングルを出すことにしたんです。3曲入りのシングルで出す方法とかもあったんですけど、今の空気として1曲ずつのほうがちゃんと曲を聴いてもらえるんじゃないか、って思ったんですよね。それで4ヵ月連続にしてみました。といいつつ、今となっては「4ヵ月ってちょっと長かったんじゃないか」と思い始めています(笑)。
―― ははははは。
ウルマ いつまで続くんか、みたいな(笑)。
タカイ そろそろ飽きられてくるかもなって。新曲感が薄れるというか、やって3ヵ月連続くらいまでだったかな?
―― それはきっと、自分たちはもう全曲を知っているからそう感じるんだと思いますよ。
タカイ ああ、それはそうかもしれないですね。
―― 待っているみんなは楽しみにしてると思います。
タカイ そうだといいです。新曲を出して、聴いてくれている反応がわかるとやっぱり嬉しいし。
―― 第一弾の「そらのよすが」は、これまでのthe twentiesを踏襲しながらも、それをもっと強化させた楽曲で、連続シリーズの一発目にぴったりなナンバーだと思いました。
タカイ これは野菜くんがもってきてくれた曲で、「めっちゃいいやん!」って。ほぼフル尺で作ってきてくれて、あまり変えるところもなかったから「これ、コピーしよう」みたいな。
ウルマ 「いい曲だなぁ」って。
野菜くん 恐縮です。
―― 普段はどんなふに曲を持ち寄るんでしょうか。
野菜くん ある程度は作り込んじゃいますね。
タカイ イメージしやすいように。説明するより、聴いた段階でわかるくらいまでには、という感じです。
―― そうなんですね。
タカイ 前はフレーズだけとかもありましたけど、コロナ禍もあって家にいる時間が増えたから作り込むようになったというか。もちろん、その曲によって変わりますけど。
―― 野菜くんはこの曲は、自然に生まれた感じですか?
野菜くん 自然にではないですね。もとは一年前くらいには原型はあったんです。1stの『GLIMMER』はけっこう歌メロ主体のアルバムで、2ndの『NASTY』は同期やシンセやサンプラーとかを入れて殻を破ったようなアルバムになったので、そのふたつのアルバムの延長線上につながるような曲を作りたいと思っていたんです。でも、最初に作ったときは明るすぎてしまったから半年くらい寝かせて。久々に引っ張り出して、手直ししてみました。
―― この期間にけっこう、曲作りへの向かい方が変わったんですね。
野菜くん 変わりましたね。さわりだけだけど理論も勉強するようになって、自分がやりやすい型をはめ込んでいけばいいこともわかったり。
―― みんな強みが増えてますね。
ウルマ 基礎的なこと、根本的な音楽理論のもととなるようなことを野菜くんは勉強し直したんだろうな、と、側から見ていて思ってましたね。わからないことは聞くし。
野菜くん それまでは、ある程度の型からしか曲を作れなかったんです。だから別の視点を持っても面白いかなと思って。
―― そうしたら満場一致の新曲が完成したんですね。
野菜くん ぶっちゃけまぐれではありますけど(笑)。ラッキーでした。
―― でもそのラッキーは自分で呼び寄せたものだし。
タカイ そうそう。あと野菜くんとウルルンの作る曲はクオリティが高いんですよ。パソコンでの作り方を勉強して知っているし。心強い。
―― じゃあ「そらのよすが」はスムーズに完成したんですね。
ウルマ 4人でスタジオに入って大きな音で鳴らしてみて、そのときにかっこいいと思えるかどうか、ボーカルが心地よく響くかどうか、生音で最終的には構築して。それをまた持ち帰って各自整頓して、レコーディングに入りましたね。
―― 第二弾は「VENUS」。これはまた新しいアンセムが誕生しましたね。ライブだとどうなるんだろうと思っていたら、始まり方は肉感的な部分が加わって、ライブならではの聴き応えがありました。
タカイ これは実は奇跡的にできた曲なんです。
―― 奇跡的に?
タカイ 「VENUS」の前に「汚(オ)」を作ってたんですけど、もっと違う切り口でリアレンジをしてみようという話になったんです。それで「汚」を進化させるためのはずが、ウルルンからあがってきたリアレンジを聴いて、俺もボーカルがすぐに浮かんで。「これはこれで1曲ありなんじゃない?」って。だから意図して作った曲ではないというか。
―― そうだったんですか。
タカイ だから、ウルルンが「汚」をリアレンジした曲が「VENUS」。
ウルマ 最初はドラムから作っていたんです。後ノリの曲調で。でもみんなの反応も聞きながらもっと突き詰めていこうとなって。それで自分の曲をリアレンジするって変な感じだったんですけど、ポンポンポンポンってフレーズが出てきて「あれ? なんかおしゃれやな」みたいな。それから、機材を持ち込んで京都で合宿もしたんですよ。そこでまた偶然の積み重ねで仕上がっていきましたね。
―― 「汚」のリアレンジから生まれたとは思いませんでした。メロウな曲調は共通していますが。
ウルマ いや、めちゃめちゃ似てるんですよ。
野菜くん キーも一緒だし、コード進行もほぼ一緒なんですよ。
ウルマ いかに区別化するかが逆に難しくなってる(笑)。
―― なるほど(笑)。
ウルマ でも、今までthe twentiesでこんなことはやったことなかったし、ドラム先行で曲を作ったことも自分のなかでは大きくて。ダイネソウがダカドコダカドコ叩く想像もするんですよ。想像すると楽しそうだなあと。それにthe twentiesでやれば、何をやってもthe twentiesになるかなって。出だしとしては面白い感じができるかなと期待感も持ちながら作れましたね。いい曲になった。
―― はい。キラッとしてグッとくるいい曲ですよね。イントロからキャッチーだし歌詞もいいし。
タカイ ありがとうございます。
ウルマ 代表曲になりますわ(笑)。
―― ドラム先行で作られた曲ということで、ダイネソウさんはいかがですか?
ダイネソウ 実は、録音したものと最初はパターンが違ったんですよ。スタジオで叩いてみてちょっとしっくりこないなというのがあって。で、音源を聴き直したら「全然ちがうじゃん」ってことがあって。録音の前日くらいに今のパターンを覚えたので、もうレコーディングは気合いでしたね。
ウルマ ああ、最初に覚えたのと違ったのね。いろいろ形が変わったから。
ダイネソウ そうそう。あんなに瞬時にドラムを覚える作業はやったことがなかったから、集中する感じが培われて、面白い体験でしたね。で、叩いてみて新しいリズムだったので「ありがとうございます」みたいな。
ウルマ 叩いたら絶対楽しいやろうなと思った。
ダイネソウ 音色というか、スネアもけっこうダンス系のやつに挑戦してみたので、それがハマって嬉しかったですね。たしかに、これまでのthe twentiesにはあまりないサウンドだったと思います。
野菜くん あんなに跳ねる、バウンスする曲はなかったかも。これはリズム隊にしてみたらすごく楽しい。反面、めちゃめちゃムズい。めちゃくちゃ苦労しました。
ウルマ そう、「VENUS」ムズいんですよ。リズム隊のふたりもそうだし、俺のギターと野菜くんのベースはけっこうリンクしていて、噛み合わなそうで噛み合っているところがあるから、ライブ中に葛藤が(笑)。
野菜くん 気持ちいいタイミングがね。
ウルマ そうそう、ずっと噛み合う部分があるわけじゃなくて、噛み合う瞬間瞬間があるんだよね。
―― 深いですね。フロアで聴いているぶんにはただ「気持ちいい」って。
野菜くん でもそれが狙いでもあるんで。各々が別のところで揺らいでいたりするんですけど、要所要所で同じところに着地する感じとか。また3人が見えてるものが共有できればもっとよくなるかなと。
ウルマ そうですね。もっといい曲になっていくと思います。
―― the twentiesは本当に音作りを極めているバンドだと思うんですけど……
タカイ (小声で)それは俺以外の3人だけです……俺は歪んでたらいいや、くらいで。
―― そんな(笑)。でも、それでもまだ「これはやったことない」という初めてなポイントが出てくるのが面白いですね。
ウルマ 音作りはやり出したらキリがないですからね。
タカイ 大変そうですもんね。
ウルマ ゴールがないんで、ローン組みまくりですよ(苦笑)。
タカイ でも、あのコロナ禍でこんなに機材買うんだ?っていうのが俺はめちゃくちゃ嬉しかったですよ。
野菜くん 外に出ない分、ネットでいろいろ調べちゃうんですよね。
ウルマ 自分で自分にテレビショッピングしてましたもん。
一同 ははははは。
ウルマ だから音に関してそう言ってもらえるのはやっぱり嬉しいですね。伝わってるのかなって。
―― ライブでもみんなの後ろにそれぞれ5人くらいいそうな音が鳴ってますもんね。そして9月末には第三弾がリリースになりました。the twentiesは、ロックやロックンロールといった言葉が出てくる曲も多くありますが、今回はずばりタイトルからして「ロックスター」。
タカイ これは俺が作ったんですけど、それこそウルルンや野菜くんが作る曲の空気と全然違うじゃないですか。けど、自分の初期衝動のまま出てくる曲も必要だなって。いろんなクオリティが上がれば上がるほど、こういう曲は絶対にほしいなと思うんですよね。自分が他のバンドや海外のバンドを聴いていてもそうだし。初期衝動感にかえってくるというか。
―― なるほど。
タカイ 自分の私生活とステージとの温度差というか、自分でギャップを感じるんですよ。全然ロックスターじゃないんですよ。だったらそれを歌にしちゃおう、と。タイトルだけみたら、強いギラギラした感じを連想されると思うんですけど、全然かっこよくないロックスターを歌ってるので、そういうギャップも面白いかな、と。
―― 第三弾にこのロックンロールな曲がくる流れもいいですね。
タカイ そこはめっちゃ考えましたね。
―― 手応えはいかがですか?
タカイ 手応えはないです。
―― え!?
タカイ 俺、自分で作る曲に手応えなんてあんまりないんですよ。他のメンバーのクオリティがすごいので。でも、それをわかった上での差というか。やっぱり完璧って面白くないじゃないですか。ロックバンドだし。ポップグループをやってるわけじゃないし。バンドって、多少ズレてたり噛み合ってない部分があったほうがかっこいいし、自分がかっこいいと思うのもそういうところにあるので。自分はこの勢い、初期衝動の感じで作るままでいいかなって。もちろん出せる曲、出せない曲の線引きはありますけど。「ロックスター」はいちおう自分の線を越えたかな?
―― ボーダーラインを? いや、すごくかっこいいですよ。
野菜くん なんか、歌の乗り方がやっぱり違うと思うんですよね。彼が作る曲と、僕とウルルンが作る曲では。僕は最初はそこにめっちゃ苦労しましたね。
タカイ 俺も歌を乗っけるのに苦労してる。
一同 ははははは。
野菜くん 最初はそれを度外視して作ってたので、今思えば悪いことしたなって。最近は僕もメロが乗ることも考えて作るようにはなりました。彼が作る曲は最初から歌メロが立ってるので、バンドの音やアレンジもシンプルな感じでも映えるというか。そういった違いは押していきたいと思いますね。
タカイ 面白いですね。ひとつのバンドで作り手がそれぞれいる。それもthe twentiesっぽいなと思いますね。
―― だからか、曲ごとにタカイさんの歌声が放つ世界が違いますよね。
タカイ 自分の内から出るメロと、曲を聴いた上で出てくるメロと、やっぱり乗りとか声の出し方は変わってくるかも。逆に言えば幅が広くなったのかな。
―― 全部同じ人が歌っているように思えないことも。
タカイ マジすか、そう聴こえるのは嬉しいですね。聴き飽きられないというか、新規開拓につながるかも(笑)。やっぱりいろんな幅の広げ方はあったほうがいいと思うので。
ウルマ あと、「ロックスター」のギターソロを聴いてほしいなというのはあるんですけど、あの……
―― あ! 「ロックスター」のギターソロ、すごいですよね。
タカイ ヤバいですよね。
ウルマ あれ、実はベロベロの状態で(レコーディングで)弾いてたんですよ。
タカイ もとは俺が弾く予定だったんですけど、俺が弾くと小枝みたいなギターソロになっちゃって。
―― ふふふふふ。
タカイ もう本当にポキッと折れそうな(笑)。エンジニアさんは「もっと荒々しくいっていいんじゃない」って。でも俺のなかでのギターソロのイメージがあったから、そうできなくて。それでウルルンに「ちょっと酒でも呑んで、ギターソロ一発弾いてみてください」とお願いして。
ウルマ エンジニアさんがスコッチを持ってきたから2時間くらいずっとスコッチを呑んで、裸になって。みんなはいつでも録れるような状態でスタンバッててくれたんです。で、俺の歴史の中で伝説を1ページ作りたいなと思って(笑)。自分的に「よし!」となったときにブースに行ってパッと弾いて「はいお疲れさん!」という流れで録ったという。結局、一発目のOKテイクだったよね?
タカイ そうっすね。
野菜くん ちょうどその頃、ギターソロを聴かない10代が多いというような話があってタイムリーだったよね。
ウルマ そういう人たちに聴いてほしいな。
タカイ むしろあのギターソロがあったからあの曲がよくなった感がある。
ウルマ いちおう2、3パターンのテイクは録ったんですよ。そこで俺は再起不能になって。
野菜くん 大変だったね。
―― 渾身の1テイク目。
タカイ 渾身中の渾身ですね。
ウルマ ぜひ聴いてください。今、一生懸命自分でコピーしてます(笑)。手癖がひどくて何を弾いたんだ、みたいな。
タカイ 酔っ払ってたからね(笑)。
一同 ははははは。
―― そしてラストの第四弾「汚」が10月26日(水)にリリースされます。この曲は「VENUS」の元曲と先ほど伺ったので、ウルマさんの曲ということですね。
ウルマ そうです。こういうリズムのパターンがほしいなというところから始まって、俺のギターは普段はコードじゃなくて単音で弾いてることが多いので、単純にコードで弾きたいなあと思って。こういうノリだったらコードで弾いても成り立ちそうかな、と。
―― そうなんですね。
ウルマ それで、シンセ音っぽいギターになってるんだけど、ほかに発想が思いつかなかったんですよ。ベタっとベーシックで、ドラムとベースとギターのコードを弾いてる、くらいでそれ以上膨らまなくて。それをとりあえずメンバーに投げてみたら、「曲自体はいいですけどもうちょっと」「おしいですね」みたいな。
野菜くん けっこうコードも循環でシンプルな構成だから。
タカイ 一本道をずっと行ってるような感じだった。
野菜くん うん、そこからちょっと脱したいかなって。
ウルマ そうこうしてる間に先に「VENUS」が出来あがっちゃって。そのあとに「汚」が完成した。だから俺にとっては兄弟みたいな曲なんです。
―― 2曲で1曲のような?
ウルマ そういうわけじゃないけど、生き別れた姉ちゃんと……みたいな。
一同 ははははは。
―― でもこの話を聞いてから曲を聴いたら、新たな感じで聴こえそうです。
ウルマ 新たな発見というか、面白いとは思いますね。わかって聴くのも。
タカイ 歌詞も「VENUS」は外に向けていて、「汚」は内に向けているんですよ。歌と歌詞の部分でも区別をつけたいなと思って。「VENUS」は、俺がステージに立って、フロアにいる人たちに向けた歌なんですけど、「汚」は内側というか。陽と陰じゃないですけど、それくらい区別をつけたかった。
―― だから、この2曲が似ていると思わなかったのかも。
タカイ 「VENUS」の続きとして、さっき言ってたみたいに双子というか兄弟みたいな歌詞にしようか、とも思ったんですけど、そうなるとまんま似てしまうから。
ウルマ そうですね。曲の個性をわけるのが作業的にはメンバー自身も大変だったかなと思いますね。
タカイ 抜けきれない兄弟感は滲み出てきますからね(笑)。
ウルマ 「やっぱ血が繋がってるんだー」というのは感じると思いますね(笑)。
―― でもひとつの曲から2曲生まれたというのは、the twentiesの懐の深さを感じますね。
ウルマ そう言ってもらえると。
―― 聴く側としては、メロウな感触は似てるけれど、間に「ロックスター」があるので目先がガラッと変わって、同じ曲だとは気づきませんでした。でも、逆にわかっても面白いとは思いますよ。「そういう試みだ」って。
タカイ ああ、たしかにそれもいいですね。
―― 最初に第四弾まであると飽きちゃうかも、と話してましたが、やっぱりリスナーとしては嬉しいし、ライブが見たくなりますね。
タカイ ライブに来てほしいですね。
―― 今はまた新曲を書きためている感じですか?
タカイ 作ってますね。スローテンポな曲がわりと多く出てきてるんで、激しめな曲も増やしたいなと思っています。
ウルマ ある程度は曲はあるんで、それに追加して選抜していこうかなと。
―― 止まる暇もないですね。
ウルマ 今年のはじめに新年会をしたんですよ。「頑張るぞ!」っていうミーティングを(笑)。よく、物事のゴールを決めて逆算して予定を立てていくのが成功への近道だとか、いろいろあるじゃないですか。ウチはあまりそういうことをしなかったほうなので、今年は決めてみたんですよ。それで今があるんで、この流れを崩さず、さらに自分たちが予想するより一歩先へ進めるようになったらいいなと思っているので、いいテンポで歩き始められたとは思ってますね。
タカイ 結成してから、過去イチ、今がいいんじゃないですかね。
―― そういえば、ライブを見ていて4人のバンドの感じが強くなったように思いました。
タカイ 嬉しいですね。やっぱり、4人全然違う生き物が集まっているわけじゃないですか。ひと昔前だったら、どうしても俺がみんなをこうしたい、というイメージがあって。それを共有したくて動いているところはあったんですけど、それがなくなって、それぞれの個性をそのままステージで解放できたらいいなという。そういうスタンスに変わってからは、俺もすごく楽しくなった。
ウルマ 大人になったなって感じはしますね。
タカイ ほんとそう。昔はステージ上でダイネソウと喧嘩したり。
ダイネソウ ありましたね。
タカイ バンド内でピリピリしたところもあったけど、そういう部分はめっちゃ反省しました。コロナ禍になってやっとそこで気づく、みたいな(笑)。ほんと、めっちゃ反省しました。
―― めちゃめちゃ最近ですね。
タカイ これじゃだめだなって。一人じゃなにもできないし、メンバーがいるからバンドが成り立つし。そこを自分のなかで気づいているか気づいてないかじゃ全然違うと思う。コロナ禍のよかった面は自分の自己中さを知れたことですね。メンバーにいろんな部分を任せられるようにもなったし。
―― じゃあこれからはまたいろいろなthe twentiesの面が見られる活動になりそうですね。
タカイ はい。いろいろ考えているので楽しみにしていてほしいです。
© 2022 DONUT
INFORMATION
■ the twenties 4ヵ月連続配信シングルリリース
・第一弾:7月27日(水)「そらのよすが」
配信リンク:https://ssm.lnk.to/Soranoyosuga
・第二弾:8月31日(水)「VENUS」
配信リンク:http://ssm.lnk.to/VENUS
・第三弾:9月28日(水)「ロックスター」
配信リンク:https://ssm.lnk.to/RockStar
・第四弾:10月26日(水)「汚 (読み:オ)」
配信リンク:https://ssm.lnk.to/O_tt
※ライブ、イベントの最新情報は公式サイト、公式SNSをご確認ください。
http://thetwenties.info/tw-wp/?page_id=736