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2022.07.11 upload

THE BOYS&GIRLS インタビュー
本当にやりたいことをやれて、歌いたいことを歌えました。曲作りは本当に妥協なくやれたし、歌詞も「ありのまま書こう」と。絶対良くなるという自信だけがあったのかもしれない
――ワタナベシンゴ

THE BOYS&GIRLSが完成させた4枚目のフルアルバム『ユアキャンバス』は、実にボイガルらしく、それでいてバンド史上最高に突き抜けた11曲がそろった。これまでにもたくさんのグッドメロディを届けてきた彼らだが、歌もサウンドも瑞々しいパワーにあふれ、多彩な色合いを放っている。自分の曲を、自信を持って書いていこうと思ったと語るワタナベシンゴの言葉にも表れているように、このアルバムはとても潔い。もちろん、歌詞の内容はもがいたり自問自答したりと、そんな部分も滲んではいるが、聴く者に灯す光のようなものがはっきりと浮かんでくる。ここ2年ほどは多くの人たちにとって大変な日々が続いた。ミュージシャンの活動もままならないことだらけだっただろう。しかし彼は不貞腐れることなく「本当に音楽って楽しい」と、そんな心境だったという。今年6月には、ワタナベシンゴの思いつきから生まれた「SHIRUBE」という音楽イベントが、たくさんの方の協力を得て彼の地元・北海道中標津にて2年越しで開催された。昨年の中止(配信に変更)を受け、今年の実現まで奔走し続けるなかで生まれたこのアルバムに、ワタナベシンゴの、THE BOYS&GIRLSのロックンロール・スピリットが宿らないはずがない。ボイガル、無敵ゾーンに突入。本当にいいアルバムだ。

●取材・文=秋元美乃/森内淳

―― 6月に行われた「SHIRUBE」は、無事の開催、本当に良かったですね。

ワタナベシンゴ ありがとうございます。やって良かったなっていうのと、やれて良かったなっていう思いがあって、本当にホッとしたというか。色々あったんですけど、色々あった中でも中標津という町でああいう形でやれたのが良かったなというのが素直な感想です。

―― 会場は屋外から屋内に変更しての開催でしたが。

ワタナベ コロナの状況が少しずつ良くなってきたとはいえ、おさまったわけではないし、中標津に野外フェスの前例がないということもあったので。でもしるべっとという会館はコンサートをやる実績もあって、「しるべっとなら安心だね」って思う場所なんですよ、町の人からすると。そういうことも踏まえて屋内に切り替えましたね。

―― 当日は配信の「うらしるべ」で見ていましたが、映像からでも、写された箇所箇所で色々な思いが生まれているのが伝わってきました(「うらしるべ」:イベントの裏側を写しっぱなしにしていた配信企画)。

ワタナベ 「うらしるべ」は裏を見せようというところで始まったんですけど、今思うと、あれこそが本当に表の顔というか、「SHIRUBE」にとっては現場が全てじゃないというか。もちろん現場に来てもらったら最高に嬉しいし、楽しんでもらう自信もあったんですけど、来られなくて「うらしるべ」で見てくれた人には、本当の表の顔を見せられるものになったなと。でも、僕も全部は見てないです(笑)。ふとしたときに「こうだったな」みたいに思ったり、画面上ではゲラゲラ笑ってる瞬間にぐっときちゃったりして。

―― 皆さんの笑顔が印象的でした。まずは、本当にお疲れさまでした。そして、そんなフェスの準備をしながらも新しいアルバム『ユアキャンバス』が完成しました。

ワタナベ はい。頑張って作りました。

―― このジャケットの絵もシンゴさんが?

ワタナベ これも僕が描きました。初めてキャンバス地に描いたんですよ。わりと大きいサイズで、アクリル絵の具で描きました。

―― ジャケットはもちろん、いいアルバムができましたね。全曲いい。

ワタナベ そうなんですよ! ボイガルを始めて11年経って、ここにきてもう本当に後悔のないものができたというか。けっこう短いスパンで作った曲が多くて新曲だらけなんですけど、スタジオでみんなで作っていく過程もすごく楽しくて、無駄な時間なんかなかったな、と。難航した曲もあればサッとできた曲もあるんですけど、濃密にやれて、録音も後悔なく録れました。

―― 「town to town」の曲や配信の「サンキューマイレディオ」以外、ほぼ新曲ですもんね。

ワタナベ はい。「ブリッジ」だけ10年前に作った曲で、昔バンドではやってたんですけど、多分もう6、7年ぐらいはライブでもやってないんじゃないかな。でもこの曲は今回のラインナップに入っても、絶対に今のボイガルとして音が出せる気がしたんですよ。メロディもアレンジもほぼ変えてない当時のままで、ちょっとイントロをつけたぐらい。ギターソロとかも当時ケントボーイズが弾いていたフレーズをそのまま俺が弾いてたり。

―― 歌詞もそのまま?

ワタナベ 歌詞も一文字も変えてないですね。

―― なぜ10年前の曲を今やってみようと思ったんでしょうね。

ワタナベ いや、なんかわかんないですけど、昔の曲を1曲入れたいなと漠然と思ってはいたんですよ。ただ、もうできてる曲がけっこう良かったんで、だったら最新でいきたいなという思いもありつつ。で、部屋で弾き語りみたいな感じでちっちゃい声で歌ったりしていたときに、「ブリッジ」だけ気になって。なんでかは自分でも上手く言えないんですけど。ただ、「ブリッジ」は涙系の歌で、「涙の車窓から」っていう新しい曲もその名の通り涙系の歌なんです。<どんくらい涙を流してこれただろう>みたいな歌詞から始まる。で、「ブリッジ」を作った10年前はガンガン泣いてた頃で、<涙がこぼれたから帰ろうか>みたいなふうに歌ってた。その当時の10年前の自分と、あれから10年経って、どれくらい涙を流してこられたかとか、ワケわかんないところで悩んでる自分もいる。それで「涙の車窓から」ができて。その対比じゃないですけど、「涙の車窓から」ができたから「ブリッジ」を入れたいな、みたいな気持ちになったのかも。

―― そうなんですね。

ワタナベ だから繋がりも自分的にはけっこう考えて曲順を並べたましたね。

―― 逆に、これまで「ブリッジ」が収録されなかった理由はあるんですかね?

ワタナベ いや、それはたまたまですね。気づいたらライブでも演らなくなったし。

―― それこそタイトルの「ブリッジ」じゃないけれど、10年前のシンゴさんから今のシンゴさんに橋渡しのタイミングみたいな。

ワタナベ 本当にそういう感じでした。「ブリッジ」の元になった橋(幌平橋)があるんですけど、「涙の車窓から」を作ったときに散歩してて、ちょうどそこに行ったんですね、久々に。その橋は歩道の真ん中に大きなアーチがあって、そこをのぼって見る景色がすごくいいんです。そのときは雪でもう封鎖されていたからのぼれなかったんですけど、自ずと「ブリッジ」モードになったというか。今振り返ると、ですけど。

―― 今作はコロナ禍での制作だったと思いますが、レコーディングとか何か変わりはありましたか?

ワタナベ 曲の作り方とか進め方は今まで通りでした。ただ、サポートメンバーたちのスケジュールというか、ギターを弾いてくれてたシュン(ヤハラシュン)が新しいバンドを自分で組んで、そのバンドが動き出したタイミングだったんです。そのバンドを思いっきりスタートして欲しかったから、ボイガルの方は僕とベースの三角とドラムのポルノ(シンノスケ/ex.ポルノ大岡)で半分ぐらい進めつつ。で、レコーディングではシュンの音が欲しかったんで、3人で進めてた音をシュンに送って、「レコーディングの日までにギターソロを考えてきて」って感じで進めましたね。だから僕らもレコーディングの当日に初めてギターソロを聴いたんです。それがすげえ楽しくて。みんなそうだけど、信頼しきってたし何の問題もない、みたいな。そこが今までとちょっと違った部分ですかね。

―― これまでの信頼の積み重ねですね。

ワタナベ 前のアルバム『大切にしたいこと』を録ったときは新体制になって初の作品で、けっこう、暗中模索じゃないですけど、もがきながらレコーディングして。あれはあれでなんかすごい血の味がするというか、そういうところは僕はすごく好きで。だけど今回は今回でまた今までにないもの、ない気持ちが本当に詰め込めた。いろんな色の曲を作ることができたと思います。

―― それで、タイトルが『ユアキャンバス』。

ワタナベ いろんな色の曲がある、ということで。「town to town」のツアー中だったかな? 自分は自分のやり方でやっていこう、みたいな気持ちになったんです。この歳になっても、いまだに他のバンドと比べたりするんですけど、でも、結局ボイガルとして演る曲は自分が作るしかないし、他の誰かが作れるわけじゃない。だったらもっと好きなように作って、それがもし駄目だってなったらそれでいいし、あまり難しいことを考えずに作ろうって。長く歌い継がれるような、全世代に長く聴いてもらえるような歌を作りたいとずっと思ってたんですけど、それもやめたというか。半径3メーターぐらいにいる人たちが、「シンゴ、こういう歌もいいじゃん」みたいに思ってもらった方が今は楽しいかもと思って。本当に、ただ後悔のないように書こう、と。

―― それはコンポーザーとして大きな変化でしたか?

ワタナベ そうですね、でも以前はそういう感じで書いてたはずなんです。だんだんとバンドが5年、6年経った頃に、生意気にいろんなことを考えるようになって(笑)。何もわかってないはずなのに、なんかわかった気になって。1回メジャーに行って、メジャーも切れて、そういう経験もしてる俺だからこそ、みたいに。自分でもワケわかんないまま色々考えてる時期は確かにあった。だからといってその時期に作った曲が嫌いとかではないんですけどね。でもボツになった曲の方がめちゃくちゃある。そんな時期もあって、今また立ち返ったじゃないですけど、初期の頃とはまたちょっと違う気持ちではあるんですけど、改めて俺は俺の曲を自信持って書いていこうと思ったんですよね。いろんな色の塗り方をしていこうって。そう思うようになって、気づいたら本当にいろんな色の曲が揃った。

―― はい。

ワタナベ それで、これを聴いた人が何を思うかはわからないですけど、「自分のキャンバスは何色だろうな」みたいに思ってもらえるようなタイトルにしました。まずはタイトルで1回、釘をさそうと。これを見て「私のキャンバス? 俺のキャンバス?」って思って欲しい。で、曲を聴いたら「こいつめちゃくちゃいろんな色で塗っちゃってんじゃん」って多分思ってくれると思うんですよ。「いろんな色があっていいんだな」って。でも、だからといっていろんな色で塗りなよってことが言いたいわけじゃなくて、別に黒一色でもいいし、赤一色でも何でもいい。自分には自分だけのキャンバスが絶対あるんだよ、って。……長くなっちゃった(笑)。

―― すごく伝わります。そういうモードに入ってからは曲がたくさんできた?

ワタナベ そうっすね。アルバムに入れた新曲たちが、ここ半年ぐらいで作った曲ばかりなので、けっこう早いペースで作ってました。でも、レコーディングは決まってたけど、ギターソロとかは当日までわからないし、多分スタッフ陣はめっちゃヒヤヒヤしてたと思います。プリプロもしてないし。でも俺たちだけはずっと自信がある、みたいな。

―― その潔さはものすごく出てると思います。

ワタナベ そうかもしれないと僕も思います。なんか本当に迷いがなかったし。

―― 悪戦苦闘感がないですよね。

ワタナベ 本当にそうですね。潔さ……『潔さ』っていうアルバム名でも良かったな(笑)。

―― いやいやいや(笑)、あと何よりシンゴさんの歌声は特別感があるけど、このアルバムの歌声はめちゃめちゃぐっときます。

ワタナベ 嬉しいです。

―― 1曲目「最初で最後のアデュー」から全曲がハイライトのような1枚になりました。

ワタナベ 本当にやりたいことをやれて、歌いたいことを歌えたというか。この「最初で最後のアデュー」は15人くらいの友達にコーラスを入れてもらったんですよ。というのも、ライブをやっていて、演者としてお客さんに「俺たちは残せるものはこのライブハウスに全部残す。残していくから、お客さんには持っていけそうなものは全部持って帰ってほしい」、そんなふうに思うようになって、この「最初で最後のアデュー」を書いたんです。それで、この気持ちに「俺もそう思うわ」って言ってくれそうな友達に声をかけて、なおかつ遠隔で宅録できるという人に「こういう曲を書いたんだけど、コーラスとか入れて欲しい」と話して、何の指定もせずに、みんなに曲だけ送ったんですよ。まだ俺の声しか入ってない2分半の曲。好きなところに好きなように入れてくださいとだけ伝えて。

―― そんな経緯があったんですか。しかも15人も。

ワタナベ 結局、みんなから届いたやつをほぼフルで全部使いました。最初に「オーライロックンロール、GO、行くぜ」って入ってるんですけど、これ、まなつっていうバンドのいたやボーイが「オーライロックンロール」って言っていて、そのすぐ後にSULLIVAN's FUN CLUBのヨシダレオが「GO!」、その後にVERANPARADEのゆりえちゃんが「行くぜ!」って言ってるんです。届いたままを入れたら見事にみんなばらけたし、みんなでワッとくるところはみんなでワッとくる、みたいな。みんなからのコーラスがそろったときにけっこう、ゾワッとしましたね。myeahnsの亮太くん(逸見亮太)はハープとコーラスを入れてくれたんですけど、みんなは俺が他に誰に頼んでいるかも知らないし、他の人がどんなことをやってくるかも知らない。でも届いたのを合わせたらこうなった。本当に、タイミングもひとつも変えてないんですよ。

―― それはすごい!

ワタナベ 痛快なナンバーではあるんですけど、俺の中ではけっこう、泣ける曲ではあるんですね。だから何曲目に置くかめっちゃ迷って、ラストでもいいかなとか思ったんですけど。でも、最初に「ボイガルやっちゃった」って思わせようと思って1曲目にしました。

―― 1曲目でガツンときますね。ボイガルはオリジナルメンバーはシンゴさん1人ではあるけれど、“バンド”しか感じないというか。

ワタナベ そうですね。1人になって3年くらい経つんですけど、いろんな人がボイガルになってるように俺も感じていて。メンバーだけじゃなくスタッフのみんなもそうですけど、ことあるごとに「この人めっちゃボイガルっぽい」みたいな。そう思う人が増えた。俺は助けてもらってばかりだから、いい曲を書くことしかできない。そういうところで今のボイガルを強くしている、強くなっていった、っていうのは思います。

―― いろんな方面に信頼が広がっていったのもあるんでしょうね。

ワタナベ はい。めっちゃありますね。なんか、優しくなったと思います、僕(笑)。いや、昔から優しかったはずなんですけど、歳を重ねてきたのもあるのかなあと思いつつ。いろんな人と会ったり喋ったりするのはやっぱり楽しいし、それが曲にもなっていく。コロナ禍とかそういう事態もありますけど、それでもやっぱり改めてこう目を見て話したり、気持ちのやりとりを交換する、じゃないですけど、そういう時間って本当に大事だなというのは改めて感じるようになりました。

―― あと、曲の中ではもがいていたり、自問自答したり、葛藤したりしていても、前とは少し違うように感じるんですよね。自問自答で終わっていないというか。確固たる強さを感じるというか。勝手に想像するに、例えば「SHIRUBE」は自分で掲げたものではあるけれど、それがシンゴさん自身に与える影響が色々な部分であるのかな、と。

ワタナベ 「SHIRUBE」が軸になってるとはあまり自分では言いたくないところではあるんですけど、間違いなくこの1年、2年、「SHIRUBE」がずっと隣にいるし、何をするにしても「SHIRUBE」のことをずっと考えてはいました。でも、アルバムはアルバム、1本のライブは1本のライブ、みたいなところだけは変わらずにいるつもりで。ただ、「SHIRUBE」が動き出したことによって、今まで感じたことのない気持ちも経験したんですよね。だから自分では意識してなくとも、どこかに光があるはず、みたいなのは無意識に思ってる気がします。

―― はい。

ワタナベ だから、例えば今回の新曲の「フェイバリットカラー」はとくに当てはまるかもしれないんですけど、歌詞は割とずっと悲しいというか、どうなんの?みたいな感じではあるんですけど、無意識にすげえ明るく書けた。コロナもあるし会いたい人にも会えないし行きたい場所にも全然行けないし。でも俺は全然忘れてない、みたいな。あの人が最高だったこととか、あそこは超楽しいこととか、全然忘れてないし全然消えてない。「でも、俺は大丈夫だ」みたいな。全部、そういうところに繋がってる気がしますね。

―― なるほど。だからアルバムを通して、シンゴさんの「会いたい」という気持ちもあふれているんですね。

ワタナベ そうかもしれないですね。曲作りとかにおいては本当に妥協なくやれたし、歌詞ももう、すごくわかりやすく言うと「ありのまま書こう」と。「こういう書き方したら、時代的にあれかな」みたいのも考えずに、絶対良くなるという自信だけがあったのかもしれない。

―― その自信は「最初で最後のアデュー」から始まることでも勢いづいている気がします。

ワタナベ ありがとうございます。なんか“アデュー”って言葉はHUSKING BEEに教わったんです。10代の頃に。ハスキンの曲に「欠けボタンの浜」という曲があるんですけど、サビで<アデュー 空っぽは置いてきぼりだ>っていう歌詞があるんです。アデューって何?と思って(笑)。で、何かのときに調べたら、ごきげんようとか別れの挨拶ではあるけど、ちょっと前向きというか。さようならとは違うような気がして、いつかアデューって言葉を使って曲を作りたいなとぼんやり思ってたんで、今だ!っていう感じでした。

―― そこからきてたんですね。

ワタナベ この間の「SHIRUBE」でハスキンが、その「欠けボタンの浜」を演っててちょっと感動しましたね。僕らは「最初で最後のアデュー」はやらなかったんですけど。そんなふうに、自分の好きなものというか、10代のときに影響を受けたもので、よく言うとオマージュ、悪く言うとパクリなんですけど、そういうのも入ってるんです。「冬が来て僕等」もマーシー(真島昌利)の「夏が来て僕等」からだし。

―― <ヘイホー、レッツゴー>というフレーズも入ってますね。

ワタナベ そう。もう本当に音楽って楽しい。完全にそういうモードですね、この2年ぐらい。もちろん大変なことやバンドできついことも節目節目ではあるけれど、音楽を聴くとか音楽をするってことに関しては、「音楽っていいなあ」と思うことの方が今はすごく多い。

―― それはライブにも表れていますよね。

ワタナベ いやあ、そうだといいっすね。最近は機材トラブルばっかりで困ったもんですけど(苦笑)。

―― それはロックバンドの宿命で(笑)。アルバムができて、今また新しく季節が始まったと思うんですけど、シンゴさんとしてはどうですか? これまで、自分たちの道を「ケモノ道」と表現したりもあったけれど。

ワタナベ いや、そこに関してはずっと変わらないと思いますね、やっぱり予想できないので、バンドは。それに、何か目標をたてて予想通りになったらそれはもちろん嬉しいけど、そのときそのときで一生懸命生きてる中で、いろんなことが起きて、そこにまた向き合っていく方が自分にとってはバンドを進めやすいというか。

―― なるほど。

ワタナベ 自分でハンドルを握って転がり続けて、あっち行こうぜ、こっち行こうぜって、急に曲がってみたりとか。そこに行ってみないと何があるかわからない、そういうふうに楽しんでいきたいとは思ってます。

―― 千葉LOOKから長いツアーも始まりました。

ワタナベ 憧れの千葉LOOK始まり。今回はゆっくり回れるし、アルバムの曲がほぼ新曲なのですごくワクワクしてます。自分ら的にはめっちゃ仕上がってる気はしてますので、アルバムを聴いて見に来てもらいたいですね。ゆっくりでも、ひとり1人にしっかり届けていこうと思います。

―― ファイナルはリキッドルームです。初の会場ですね。

ワタナベ ファイナルがリキッドっていうことだけは、僕は最後までやめようって言ったんです。でも僕の根負けというか。

―― え!? どういうことですか?

ワタナベ 今回はスタッフ陣が「リキッドでやろう、やってみよう」って。でも俺は「いや、早いって!」ってずっと言ってるんですよ。今まで俺は「これこれこういう思いでこういう会場で」というふうにやってきていて。いや、そりゃあやりたいですよ。いつかはやりたいと思ってはいたんですけど……。「リキッドワンマンだよ? わかってる?」みたいな。これは僕、ずっと言い続けます。今もずっと思ってます。でも、もちろんもうやるしかない。それに、数々の好きなアーティストがやってますからね。

―― 一番近くで見ているスタッフがやってみようと判断したわけだから。

ワタナベ そう、そうですね。そういうことなんだと思うし、アルバムもいいものができたから、もちろん僕もステージにはしっかり立つんですけど。ただ壁はやっぱデカいんで、1人でも多くの方にファイナルを見てもらえたらと思ってます。

―― 聴いた人それぞれがいろんな色を自分の中で描くアルバムだと思うし、自分のことかと思うし。改めて、本当にいいアルバムができましたね。

ワタナベ いいアルバムができました。僕も会う人みんなに言ってます。初めてですね、こんな気持ちは。今年期待のニューカマーです(笑)。

© 2022 DONUT
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INFORMATION

4thアルバム『ユアキャンバス』

2022年6月8日(水)リリース
収録曲:01.最初で最後のアデュー/02.フェイバリットカラー/03.なんにもできない空だって/04.冬が来て僕等/05.サンキューマイレディオ/06.ブリッジ/07.涙の車窓から/08.手紙の歌/09.その羅針盤/10.遠いストーリー/11.間違いじゃない

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LIVE INFORMATION

THE BOYS&GIRLS「YOUR CANVAS TOUR 2022」
2022年
6月19日(日)千葉LOOK
ゲスト:時速36km
7月9日(土)福岡 LIVE HOUSE Queblick
ゲスト:LONGMAN
8月19日(金)広島 SIXONELiveSTAR
ゲスト:ハルカミライ
8月20日(土)神戶 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
ゲスト:ヒグチアイ
9月10日(土)函館 ARARA
ゲスト:KALMA
9月17日(土)仙台 LIVEHOUSEenn2nd
ゲスト:KALMA
10月9日(日)釧路 SILVERMACHINE
ゲスト:ジュウ
10月15日(土)名古屋 RAD HALL
ゲスト:ビレッジマンズストア

※11月はすべてワンマン・ライヴ公演
11月12日(土)高松 TOONICE
11月13日(日)大阪 ESPエンタテインメント大阪 CLUB GARDEN
11月19日(土)札幌 PENNY LANE 24
11月25日(金)東京 恵比寿LIQUIDROOM

ライブ情報は変更になる場合があります。必ず公式サイトをご確認ください。
https://www.theboysandgirls.net/live

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