カタヤマヒロキのコラム「食べロック２」

■カタヤマヒロキ（Dudes、Lüstzöe）のコラム「食べロック2」
A級やB級といったカテゴリーを超え、食へこだわり、食べまくるロッカー、カタヤマヒロキがお送りする食のコラム「食べロック２」。ほぼ月1で「食」を投下！
●プロフィール：カタヤマヒロキ／ボーカリスト。ソロプロジェクト「KTYM」始動。Dudes、LüstZöe、地獄ヘルズ ボーカル担当。ラジオのDJも担当。Droogは無期限活動休止中。公式サイト：https://ktym-jpn.com

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第19回：「上海ガニがやってきた！ヤア！ヤア！ヤア！」

2021.12.03 upload

上海ガニの季節がやってきた！ヤア！ヤア！ヤア！
上海ガニの名前をよく聞く時期は毎年9月〜12月くらい。
お店によってまちまちだけれど、大体そのくらいの時期に上海ガニが出回る。世界中の美食家がこのシーズンを待ち焦がれているのだそうだ。
そもそも上海ガニとは？
中国で「借金しても食べろ」と言われるほど珍重されており、正式には「シナモクズガニ」というモクズガニ科の淡水ガニ。
中国の長江（揚子江）流域の湖や支流で育ち、上海から出荷される「モクズガニ」だけが上海ガニと呼ばれる。
海水と淡水が混じり合った汽水域には、海の有機物が豊富に含まれているため、それを栄養にして育つ上海ガニは味に深みがあってみずみずしい。
他水域や淡水に生息するモクズガニとは明らかに風味が違うのだとか。
中国では9月に上海ガニが解禁され（ワインみたい！）、一斉に捕獲・出荷がスタート。
縄で十字に縛られて、上海から生きたまま空輸されることより別名「飛行機ガニ」なんて言われたりもする。

……要するに冬に食べられるすっごく美味しいカニということ。

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とても好きな「上海家庭料理」のお店がある。
東急世田谷線にある「大吉」というお店で、カジュアルな町中華さながら、時には上海ガニや、名物ふかひれおこげなど少し高級なラインナップもメニューに並ぶ。
中国の方が恐らく家族でやられており、本当に何を食べても美味い。



絶品と名高い「五目チャーハン」。 注文したら厨房には中国語が飛び交い、お父さんが大鍋を振って炒めてくれる。カンカンと小気味の良い音はいつまでも聞いてたい。
ふわパラなチャーハンをひと口食べると塩味や油ばかりではなく、中華スープや程よい甘さが口いっぱいに広がる。
あくまで上品であり、言葉の通り品を感じる。エビもきちんと下処理がされており、食材も均等にカットされてる。
大胆なようで繊細。完璧なバランス感覚。
これだよこれ。これが大吉っつあん（勝手に呼んでる）の凄さだよ。
僕はここの炒飯が一番美味いと思ってる。



麻婆もやしそば。
とろみのついた麻婆スープとプリプリでつやつやのちぢれ麺。
夏は汗が出るくらいのパンチある辛さ。加えてコク深い。これは、きっと何種類もの香辛料が調合されてる。
シャキシャキのもやしは恐らく飽きさせない為のアクセント。4〜5噛みに一度「シャクッ」と歯応えがあり、計算され尽くした1品。
料理に対する愛情を感じる。
できたての熱々をズズズッ！と啜ってごらん。麻婆と絡み合うちぢれ麺が、君を天国へ連れてってくれる。

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と、他にも本当に何を食べても美味しくて、どれも紹介したいので、このお店についてはまた書くとする。今書いてて思ったが、このお店のことが大好きだから。

今回の本題である上海ガニに話を戻そう。
このお店では毎年10月、11月頃になると上海蟹が入荷される。別紙メニューを見て「今年もこの季節がやってきたんだな〜」なんて思ったりする。
去年は食べられなかったので今年こそはと、意気揚々と上海ガニを食べにきた。



まずはYEBISUの瓶ビールで喉を潤す。今日はお祝いだから。上海ガニを食べるという記念すべき日。
「オストメス、ドッチ？」 カニを頼むとホールのお母さんから聞かれたので特徴を尋ねると、
「メスはお腹にたっぷりと卵（内子）を蓄えてる。オスは大きく白子育っててパンパンヨ。」とカニを持ってきてくれた。



手前がオスで奥がメスらしい。
オスには毛が生えており、メスには生えていない。
オスをお願いして蒸し上がるのを待つ。



カニの「特製だれ」。身体を冷やさないように、たっぷりの生姜と黒酢が効いててこれまた良い。



指先を洗うフィンガーボール。レモンが浮かべてあり、後ほど使用したら本当に一瞬で指先からカニの存在がなくなった。



紹興酒にチェンジ。



そして、とうとう蒸し上がったオスの上海カニがやってきた！！！！！
「ワッタゲルヨ。」とお母さん。



たっぷりとみそと白子が入ってた。いただきますとカニに手を合わせ、ひと口白子を食べると、とにかく濃厚で甘みが強く、ねっとりとした食感がたまらない。
紹興酒との相性もバッチリ！
身をチューチュー吸うのが流儀とのことで吸ってみる。淡水で育ったため臭みも全然なく絶品。一時間ほどじっくり時間をかけて完食。
ごちそうさまでした！

「来年も食べられますように。」
そうまた手を合わせて、秋〜冬にかけての肌寒い夜の帰り道を行くのであった。

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口に入れた瞬間BGM
ザ・ビートルズ「A Hard Day's Night」
（1964年7月10日リリース シングル「A Hard Day's Night」、アルバム『Hard Day's Night』に収録）



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©2021 DONUT

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カタヤマヒロキ　ソロプロジェクト「KTYM」 リリース情報

1stミニアルバム『Know Thyself Your Madness』
2021年10月13日（日）リリース
収録曲：01.Know Thyself Your Madness 02.楽天地 03.ギラギラ 04.Pink City 05.没落

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