カタヤマヒロキのコラム「食べロック２」

■カタヤマヒロキ（Dudes、Lüstzöe）のコラム「食べロック2」
A級やB級といったカテゴリーを超え、食へこだわり、食べまくるロッカー、カタヤマヒロキがお送りする食のコラム「食べロック２」。ほぼ月1で「食」を投下！
●プロフィール：カタヤマヒロキ／ボーカリスト。ソロプロジェクト「KTYM」始動。Dudes、LüstZöe、地獄ヘルズ ボーカル担当。ラジオのDJも担当。Droogは無期限活動休止中。公式サイト：https://ktym-jpn.com

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第18回：「新橋でビーフンを知る」

2021.11.04 upload

『めっちゃ美味しいビーフンの店あるよ。』

“Large House Satisfaction”というバンドのVo&Gt ようじ君が言った。
食に関しても全信頼を置いている人からのおすすめは間違いがない。
「舌が近い」というのはよく自分で使う表現なのだが、味の好みが似ている人を見つけることは結構、いやかなり重要である。
舌＋お店の雰囲気や、美味しそうと思う観点など、脳内に搭載されている「採点パロメーター」が近い人のオススメは聞くべし。
魚民や白木屋のトイレによくある親父の小言にもそう書いてあった。

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ビーフンとは、もちろん知ってはいるが、なんだか白っぽい透明っぽい麺で、フォーとかそっち系の……何度か食べたことはあるのだが、思い出そうとしてもボンヤリしている。
そう言えばビーフンに注目したことは人生で一度もなかった。
しかも、めっちゃ美味しいビーフン……んあ……？
是非食べてみたい。
ビーフンに注目したことのない人生、
美味しいビーフンを食べたことのある人生、
僕は後者で生きていたいと思った。
そして教えてもらった東京は新橋にある「ビーフン 東」へ行ってきた。

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新橋の駅ビルには魅力的なお店がひしめき合っている。
目的のお店へ行く前に駅ビルを歩いてみた。
新橋の駅ビルはぶらぶら歩くだけでも楽しい。



老舗のジューススタンドを見つけた。
フレッシュジュースが沢山並ぶ中、ひときわ異彩を放つ「ウコンフルーツ」。
『おばちゃん、ウコン！』
そう言うとスーツを着たサラリーマンが腰に手を当て、一気に飲み干し、カランッと小気味よい音を立てカップをゴミ箱へ入れている。

カッコイイ……。

真似をして、ウコンフルーツジュースを頼んでみた。



ドロっとしており、フルーツとは書いてあるものの、ウコンの超濃い香りと味で、苦く、想像していた10倍くらい飲みにくかった。
だが、これから飲みに行くサラリーマンの味方であり、この日はお酒を飲んでも、なんだか調子のよい気がした。
気がした。
また来たら、飲もう。そう誓って、一気に飲み干し、カランッと紙コップをゴミ箱へ入れて、さあ、出陣としよう。

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目的のお店「ビーフン 東」は駅ビルの一角に堂々たる店構えであった。
煌々と光る看板が目印。
入店するとお店の雰囲気はレトロながらも、清潔感がものすごかった。
厨房がオープンで、カウンターがあり、テーブルが並んでいる店内だが、どこを見てもピカピカ。
後ほど出てくる食器なども含めて、とにかく全てが磨き込まれているかのように綺麗だったのが、印象的だった。



ドリンクメニュー

まずは、瓶ビール（アサヒ）で喉を潤す。



テーブルもグラスもピカピカ。





フードメニューの一部

前菜で「クラゲと生姜の和え物」700円



コリコリッとした食感に、ピリッと生姜が効いており、酢醤油であっさりと食べられる一品。

本当は一品料理をもっと頼みたかったが、
目的であるビーフンを沢山食べたかった為に早速ビーフンをオーダー。



「五目ビーフン 850円」

焼きビーフンと汁ビーフンが選べる。なんだその、美味そうな文字は。
焼きビーフンにした。

ほっかほかの焼きビーフンをズゾーッ！と啜ると、麺は噛んでも押し返してくる弾力が凄い。
五目の野菜や肉も、素材をきちんと立たせた味付けで丁寧に作られたのがひと口でわかる。
はじめてビーフンと出会えたと言っても過言ではなかった。



どうしても汁ビーフンも食べたかったので、「蟹玉ビーフン 850円」も頼んだ。
ズズズッ、スープを啜るとその優しさに幸せな気持ちになった。
そこに、ふんわりとした蟹玉で、まるで優しさで包まれるような感覚。
今すぐカラオケに行ってJUJUの「やさしさで包まれるように」を熱唱したくなった。採点をして79点くらいを出して神妙な面持ちで画面を見つめたくなった。



卓上にはにんにく醤油なるものが置いてあり、これでチューニングせよ、ということなのだろう。
焼きビーフンにかけると、風味が爆上がりして一瞬にして、“最強のツマミ”と化した。瓶ビールが進む、進む。



既にお腹はいっぱいだったが、「バーツァン（中華ちまき） 700円 」が有名らしく食べてみた。
「クッソ、うめえ。」
失礼。思わず美味さに言葉が荒れてしまった。だが、モッチリとして、うずらの卵や肉や椎茸が入った甘辛い中華ちまきはそれくらい美味しかった。

ごちそうさまでした！

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こうして無事に“美味しいビーフンを食べたことのある人生”が始まった。
ビーフンを知らなくたって、人生で困ることはないかもしれない。
このコラムだって、まるで人生の役に立たないかもしれない。
だけど、そういうことを愛したい。
好きな方に転がって生きていきたい。そう思った。

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「ビーフン東」を出て、お腹がはち切れる寸前だったが、近くの大衆居酒屋にてクエン酸サワーで締めた。

新橋、最高！

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口に入れた瞬間BGM
Large House Satisfaction「BREACH」
（2017年4月24日リリース「BREACH / 20000V放電」 会場限定／サブスク配信）

©2021 DONUT

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カタヤマヒロキ　ソロプロジェクト「KTYM」 リリース情報

1stミニアルバム『Know Thyself Your Madness』
2021年10月13日（日）リリース
収録曲：01.Know Thyself Your Madness 02.楽天地 03.ギラギラ 04.Pink City 05.没落

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