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中野ミホのコラム「まほうの映画館2」

中野ミホ(Singer/Songwriter)のコラム「まほうの映画館2」
中野ミホが最新作から過去の名作まで映画を紹介します。
●プロフィール:中野ミホ/北海道札幌市生まれ。2009年に結成したバンド「Drop’s」のボーカルとして活動し、5枚のフルアルバム、4枚のミニアルバムをリリース。2021年10月にDrop’sの活動を休止後、現在はシンガー、ソングライターとして活動。ギター弾き語り、ベースを弾きながらのサポートピアノとのデュオ編成やドラムを加えてのトリオ編成など、様々な形態で積極的にライブ活動を行なっている。
●公式サイト:https://nakanomiho.tumblr.com
●中野ミホYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCjvQfnXVg6hTd8C8D6PSQGQ

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第46回「あの歌をいつかまた、ふたり聴くときまで。マルホランド・ドライブ」

2025.02.10 upload

『マルホランド・ドライブ 4Kレストア版』(2001年:アメリカ)
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
キャスト:ナオミ・ワッツ/ローラ・ハリング/アン・ミラー/ジャスティン・セロー/ダン・ヘダヤ/マーク・ペルグリノ/ブライアン・ビーコック ほか
公式サイト:https://filmarks.com/movies/118024#goog_rewarded
Filmarksリバイバル上映


みなさまこんにちは。
とっても寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
私は毎日靴下用カイロが手放せません……。

さてさて、今回は先日78歳でこの世を去った、デヴィッド・リンチ監督の作品です。
追悼上映が行われていましたのでこれは!と思い観に行ってきました。

『マルホランド・ドライブ 4Kレストア版』(『Mulholland Drive』)
2001年、アメリカの作品。
監督・脚本はデヴィッド・リンチ、出演はナオミ・ワッツ、ローラ・ハリングなど。

舞台はハリウッド。闇に覆われた真夜中の山道“マルホランド・ドライブ”で、ある晩、車の衝突事故が起こり、生き残った美女(ローラ・ハリング)は記憶をなくしてしまいます。
彼女はある有名女優の留守宅に身を潜めますが、留守中に部屋を借りていた、姪で女優を目指しているベティ(ナオミ・ワッツ)に見つかってしまいます。
記憶のない彼女はとっさにリタと名乗りますが……。

『ツイン・ピークス』にどハマりし、他の作品も何作か観ていたのですが、『マルホランド・ドライブ』は心の準備(?)をしてからゆっくり観たいと思っており、今回初見で映画館で鑑賞することができました。

いやーーやっぱり、とんでもなかったです……。
観終わった後もあの世界に取り残されたようで、頭がぼんやりして、帰り道をよく覚えていません。笑
映画館で観て本当によかった! 最高でした……。

今回はもう感想というかなんというか、かなりとりとめのない文章ですが、映画を観ればその理由もわかると思うのでお許しください。笑

まず全編に漂う、普通であるはずのシーンがなんか普通じゃない感じ。
人々の表情や言動が、なんかちょっとおかしい。
他の作品でも感じるあの独特の違和感、どこからやってくるんだろうか。

不自然なまでに寄った映像や、印象的な眉毛やまつ毛。
登場人物は女性らしさや男性らしさをどこか誇張されていて、それがなんだか作りものみたいで不思議の要因の一つなのかなぁとも思いました。
マッチョだったり、岩みたいに体の大きな男性。女性の派手なメイク。
赤や青の使われ方も印象的だなぁ。

謎のカウボーイや、『ツイン・ピークス』にも出てきた小さなおじさん。
小人、鍵と鍵穴、毛むくじゃらの男。歌手。
会社の会議室?も家も、とても美しいんだけどなんか絶妙な気持ち悪さがあります。
もうデヴィッド・リンチ世界としか言いようがないです。

そして『ツイン・ピークス』や他の作品でもそうですが、女性たちの美しさがすごいー。
ナオミ・ワッツとローラ・ハリングの対照的な美しさがもうずっと炸裂しています。
というかナオミ・ワッツの演技が怖いくらい素晴らしかった……。
オーディションのシーンとか、新人でそれはありえないでしょ!っていう演技が逆に狂気じみていてものすごく引き込まれたし、後半で別人(と言っておきますね)となっているシーンも本当に凄かったです……。ローラ・ハリングはすごくセクシーなんだけどちょっと野生味?があるところが良いです。

あとは音楽の使い方も不気味で素敵。
オールディーズのキラキラした感じが逆に怖かったり。
そして一番印象的だったのが、真夜中に二人が赤いカーテンの劇場で女性の独唱を聴いて涙するシーン。本当に言葉にならない凄さがあったなぁ。
涙はもう、理屈とか理由とか、全て飛び越えてくる感じ。
あのシーンの彼女たちが、とても悲しくて美しくて、震えました。
まぁよく意味がわからないことには変わりないのですが……。笑

ストーリーに関してはもう、わかったような、わからないような……。
ボーンと放り投げられてこんがらがったまま。
いろいろな考察や解説はあるのでしょうがまだあえて読みません。笑
あれこれ想像するのが楽しい。

というか、正解なんてないんだろうなと思います。
でもそれが不思議に心地よくて、ずーっと観ていたい!
むしろ謎よ解けないで、このままこの世界が続いていてーと思いました。
最後はとても、悲しかったですが……。

ハリウッドの闇をえがいている、と言われれば確かにそうだなぁと思いますが、それよりもふたりの愛と憎悪、そして全体の美しさと狂気が唯一無二すぎて圧倒されました。

本当に夢の中みたいだったなぁ、夢って突然ある人が違う人に変わっていたり、おかしなことが起きるけど、夢の中ではそれが普通だったり。
結末がないまま別の場面に繋がっていたり。
本当にそういう無意識の領域みたいで、ゾクゾクしました。
それをこうやって他の人と一緒にスクリーンで体感するのって、とんでもないです。

デヴィッド・リンチ監督の遺した作品や、彼について、もっと知りたくなりました。
自分の変わり映えしない日常生活も、ちょっと見方を変えればまるで彼の映画の世界のように見えてくるかも……と思ったり。
うまく言えないですが、夢や想像の世界、無意識の世界のことにワクワクしたい!
という気持ちが久しぶりに戻ってきて、私はドキドキして嬉しくなりました。
本当にありがとうデヴィッド・リンチ……。
“亡くなった”というより、“ちょっとあちらの方に行ってしまった”のかなという感じもする……。

ぜひみなさんも気になる作品があれば観てみてくださいね。
ではまた。

© 2025 DONUT



INFORMATION

1stフルアルバム『Tree』
2024年7月31日リリース
収録曲:01.YETI/02.yellow/03.家/04.よふね/05.Sand/06.りんご/07.ice town/08.オートバイ

■ CD販売サイト:https://nakanomihoshop.stores.jp/
■ 各種ダウンロード・ストリーミングサービスにて配信中:https://friendship.lnk.to/Tree_nakanomiho



アルバム『Tree』インタビュー公開中



配信シングル「YETI」
2024年7月10日リリース


LIVE INFORMATION

※バンドセット、弾き語りなど、ライブの最新情報はオフィシャルサイト、公式Xにてご確認ください。
■ 公式サイト:https://nakanomiho.tumblr.com
■ 公式X:https://x.com/miho_doronco12

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