DONUT


2025.05.13 upload

FUJI ROCK FESTIVAL '25 特集

「FUJI ROCK FESTIVAL '25」が2025年7月25日(金)26日(土)27日(日)の3日間にわたり、新潟県湯沢町苗場スキー場で行われる。今年も全長4キロメートルにも及ぶ苗場の自然のなかに点在する10以上のステージで、国内外合わせて200組以上のアーティストが演奏を繰り広げる。今年は開催1週間前にフジロックの人気キャンプサイト、PYRAMID GARDENで「PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival」の開催も決定し、例年以上の盛り上がりを見せている。第1回目のフジロックからほぼ毎年のように参加しているDONUT編集部では、今年もWEB DONUT、DONUT本誌含め、全方位でこの国内最大級の一大フェスを紹介したいと思う。今回はその第1弾として各日のヘッドライナーに加え、DONUTおすすめの洋楽アーティストを各日1組ずつ紹介する。

※一般発売よりリーズナブルなチケット先行販売は2025年5月15日(木)23時まで
チケットの詳細:https://www.fujirockfestival.com/ticket/index

文=DONUT(秋元美乃/森内淳)

FUJI ROCK FESTIVAL '25

2025年7月25日(金)

■ Fred again.. フレッド・アゲイン(UK)


Fred again.. & Anderson .Paak/places to be (Eagle Rock, 16th April 2024) feat Chika

初日のトリをとるのはUKを代表するプロデューサー・DJ・アーティストのフレッド・アゲイン。サウス・ロンドン出身のフレッド・アゲインは、UKラップ、ダンス、ポップスなど、ジャンルをまたにかけて楽曲をプロデュース。2018年にはジョージ・エズラと共作した「Shot Gun」が全英No.1に輝いた。2020年にはBRIT AWARDSの「プロデューサー・オブ・ジ・イヤー」を受賞。2023年にはスウェディッシュ・ハウス・マフィアとのコラボレーションシングル「Turn On The Lights again..」をリリースし、世界的なヒットとなった。2024年には、スクリレックス、フォー・テット、アンダーソン・パーク、サンファ、The Japanese Houseらが参加したアルバム『ten days』を発表。アンダーソン・パークとCHIKAとのコラボ曲「places to be」はサブスクのラジオステーションでかかりまくっていたので、耳にした人も多いと思う。今や押しも押されもせぬUKの重要アーティストのひとりとなったフレッド・アゲイン。彼がいよいよフジロックのグリーンステージに立つ。


Fred again../ten days


■ Maya Delilah マヤ・デライラ(UK)


Maya Delilah/Man Of The House

金曜日のピックアップアーティストはマヤ・デライラ。北ロンドン出身で今年25歳のマヤ・デライラは、アデル、エイミー・ワインハウス、FKAツイッグス、キング・クルールらを輩出した名門、ブリット・スクール出身のシンガーソングライターだ。彼女はサム・ヘンショウとのコラボ曲「Breakup Season」でブレイク。2022年にはブルーノート/キャピトルと契約。ブルーノートのカタログを再構築したコンピレーションアルバム『ブルーノート・リイマジンド II』(2022年)にも参加している。ギタリストでもある彼女は、フェンダーの次世代アーティスト支援プログラム「Fender Next 2024」にも選出。Spotifyのキャンペーン「Artists To Watch 2025」にも選ばれた。彼女が創り出す良質で普遍的なポップミュージックが支持され、TikTokとInstagramのフォロワー数は合計100万人を超える。2025年3月にはニューアルバム『The Long Way Round』をリリース。オーガニックな装いの曲に軸足を置きながら、アルバム中盤ではインストゥルメンタルやファンク色の強い曲も披露。多彩な音楽性を示した作品に仕上がっている。果たしてフジロックではどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。


Maya Delilah/The Long Way Round


2025年7月26日(土)

■ Vulfpeck ヴルフペック(USA)


Vulfpeck Live at Madison Square Garden

金曜日に出演するSuchmosなど、日本のミュージシャンからも熱い支持を受けるヴルフペック。彼らは2011年結成のミニマルファンク・バンドだ。ソウルやファンクをポップに昇華した楽曲を高い演奏力でプレイするヴルフペックは、今、最も注目を集めているバンドのひとつだ。彼らは今年、ニューアルバム『Clarity of Cal』(2025年)をリリース。モータウンライクなファンクとソウルを踏襲しながらも、さらに洗練されたポップミュージックへと歩を進めている。このアルバムをきっかけにさらにリスナーの支持を広げることになるだろう。ちなみに彼らはデビュー以来、メジャーレーベルとは契約せず、6枚のアルバムすべてを自らのレーベル「Vulf Records」からリリースしている。インディペンデントな活動にこだわりながらも、2019年にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを満員にするという偉業も。ことあるごとに大きな話題をつくってきたヴルフペックが土曜日のヘッドライナーとして登場。ファンが待ちに待った初来日公演を行う。


Vulfpeck/Clarity of Cal


■ CA7RIEL & PACO AMOROSO カトリエル&パコ・アモロソ(アルゼンチン)


CA7RIEL & PACO AMOROSO/IMPOSTOR

サブスクの功罪の「功」は音楽の国境をなくしたことだろう。今やサブスクのラジオステーションではあらゆる言語の音楽が流れ、世界中の人が楽しんでいる。サブスクが世を席巻するはるか以前からフジロックは有名無名問わず、面白いと思ったアーティストを全世界から呼び寄せてきた。今年もさまざまな国からいろんなアーティストがやってくるが、そのなかでも話題になっているのがアルゼンチンから参加するカトリエル&パコ・アモロソだ。彼らはアメリカの公的・非営利メディア組織、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が主催する「タイニーデスクコンサート」に登場し、YouTubeにおける世界のトレンドリストのトップ10に入ったのをきかっけにブレイク。南米のみならずワールドワイドに注目を集め、コーチェラ・ミュージック・フェスティバルやグラストンベリー・フェスティバルなどからもオファーが舞い込むようになった。彼らの音楽の特徴は、ラテン、ソウル、ヒップホップ、ジャズのミクスチャー。2025年3月にリリースしたアルバム『PAPOTA』でも、熱いラテンのグルーヴとクールでアーバンなグルーヴが融合。その摩訶不思議なグルーヴが彼らの独自性を形作っている。今回が彼らにとって初の来日公演。フジロックでしか味わえないステージを堪能してほしい。


CA7RIEL & PACO AMOROSO/PAPOTA


2025年7月27日(日)

■ VAMPIRE WEEKEND ヴァンパイア・ウィークエンド(USA)


VAMPIRE WEEKEND/Hope

最終日のヘッドライナーを務めるのは、3年ぶり5度めのフジロック登場となるヴァンパイア・ウィークエンド。彼らは2006年に結成、2008年にアルバム『ヴァンパイア・ウィークエンド』でデビュー。その後、セカンドアルバム『コントラ』(2010年)、サードアルバム『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』(2013年)、4thアルバム『ファーザー・オブ・ザ・ブライド』(2019年)と連続で全米チャート1位を獲得するなど自身の立ち位置を築いてきた。アルバムごとに異なる手触りをもつ彼らの音楽性はオルタナバンドとしての実験性とポップな側面を併せ持つものだが、2024年に発表した5thアルバム『オンリー・ゴッド・ワズ・アバヴ・アス』は、あらためてVWがVWたるバンド性を強く打ち出すものとなった。パンキッシュなサウンドプロダクションが冴えるナンバーやディストーションの効いたナンバー、多彩な音色が飛び交うナンバー。ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、東京でレコーディングされたという本作は、20世紀のニューヨークにインスパイアされたコンセプチュアルな作品だが、ヘビーなテーマを覗かせながらもけっして重々しく聴こえる曲はない。その妙は彼らならでは。ヴァンパイア・ウィークエンドは現在ツアー中。フジロックの大トリを飾る勇姿が目に浮かぶ。


VAMPIRE WEEKEND/Only God Was Above Us


■ HAIM ハイム(USA)


HAIM/Relationships

ハイムはカリフォルニア出身の三人姉妹のバンド。古き良きロックのスタイルをオルタナティブというフィルターを通して表現した楽曲は、オーガニックやポップロックといった言葉で装飾されがちだが、サウンドの表層とは裏腹に深層からは喪失感や欠落感が立ち込めてくる。ハイムの音楽からは、ロックが生まれながらに持っている情景が垣間見える。彼女たちは、幼い頃から音楽一家で育ち、クラシックロックに慣れ親しんできたという。ロックの根っこにあるものに触れてきたがゆえの彼女たちの楽曲だと思う。それが結実したのがサードアルバムの『ウーマン・イン・ミュージック Part III』(2020年)だ。自分たちの内面を映し出したというこの作品はまさにオルタナティブなロックアルバムだった。ハイムは6月にニューアルバム『I quit』(2025年)をリリースする。すでに何曲か先行配信されているが、どうやら、今までしてきた意味のないことを辞めようというのがテーマらしい。サードアルバムとはまた違った立ち位置からのアルバムになるのだろうか。果たして、彼女たちから今度はどんな「ロック」が立ち上がるのか。それはフジロックのステージを見るまでわからない。


HAIM/I quit

Start Your Fuji Rock


日本が世界に誇る音楽フェス、フジロック。しかし、広大な自然のなかにある会場はどうなっているのだろうか、日帰りはできるのだろうか、家族連れでも大丈夫だろうか、そもそも費用が心配……など、さまざまなクエスチョンが飛び交うのも毎年恒例となっている。そこで、今年はフジロックオフィシャルから、いろいろな疑問を解決してくれるサイト「Start Your Fuji Rock」が誕生。一度は行ってみたい! 1日でも行ってみたい! 夕方からでも行ってみたい! 少しでもお得にすませたい! と悩んでいる未来のフジロッカーのためのガイドです。
Start Your Fuji Rock:https://start-your.fujirockfestival.com/

INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL '25
開催日:2025年 7月25日(金) 26日(土) 27日(日)
会場:新潟県・湯沢町苗場スキー場
出演:https://www.fujirockfestival.com/artist/index
チケット:https://www.fujirockfestival.com/ticket/index
※一般発売よりリーズナブルなチケット先行販売は2025年5月15日(木)23時まで
公式サイト:https://www.fujirockfestival.com/


PYRAMID GARDEN JUL19-20
開催日:2025年 7月19日(土)20日(日)
会場;新潟県・湯沢町苗場スキー場
出演:阿部芙蓉美/KIMONOS/曽我部恵一/Moshimoss/優河/DJ KOTARO/DJ TEZ ほか
公式サイト:https://www.pyramidgarden.jp/

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