DONUT


Ⓒ David Titlow

2025.03.20 upload

LIVE pickup:
フジロック'24で熱い歓声を浴びた5人組ガレージ・ロック・バンド、Us(アス)が2025年5月11、12、13日に再来日公演を開催


テオ・ヒルヴォネン(vo&gt)、マックス・ソメルヨキ(gt&vo)、パン・ヒルヴォネン(hca)、ラスムス・ルオナコスキ(ba)、レーヴィ・ヤムサ(dr)による5人組バンド、Us(アス)。2021年の結成後、地元フィンランドからイギリスへと拠点を移した彼らはライブバンドとして着実にライブシーンにその名を刻み、2024年5月にリリースしたデビューアルバム『アンダーグラウンド・ルネッサンス』が大きな話題に。「FUJI ROCK FESTIVAL’24」では、初来日にして前夜祭を含め6ステージに登場し、フジロック3日目の「実際に観て好きになったアーティスト第1位」を獲得するなど、ガレージ、ブルース、パンク、ロックンロールをエネルギッシュに鳴らすスタイルで音楽ファンを熱狂させた。ソリッドなサウンドと共存するグッドメロディ、痛快なリフとビート、そしてハーモニカ。メンバー全員がサウンドの要といっていい彼らのステージは、ライブハウスからグラストンベリー、フジロックなど世界の音楽シーンで愛されている。 そのUs(アス)が早くも再来日公演を行うことが発表された。今回は「Fuji Rock Caling presented by Fuji Rock Festival」と題し、フジロック'24「ROOKIE A GO-GO」へ出演を果たした日本の新人バンドをサポートアクトに迎えての開催。昨年のフジロックを沸かせたUs(アス)、そして日本の新鋭バンドの熱風がふたたび! このページでは「FUJI ROCK FESTIVAL '24」の直前に行ったメールインタビューを再録。(文=秋元美乃)



Us/CITROEN BLUES


―― 1stアルバム『アンダーグラウンド・ルネッサンス』、とてもかっこよくて興奮しました。まず、アス(Us)というバンドはどのように誕生したのでしょうか。結成のいきさつを教えてください。

テオ・ヒルヴォネン ラスムス・ルオナコスキと僕は高校で出会って、別のドラマーとバンドを結成したんだ。その数ヵ月後、僕は兄弟(マックス・ソメルヨキとパン・ヒルヴォネン)とジャムっていたんだけど、彼らは僕がバンドのために書いた曲を僕以上に知っていることに気づいたんだよね。それでラスマスと一緒に、彼らもバンドに参加してもらうことに決めたんだ。その後、ラスマスの旧友だったレーヴィ・ヤムサも加わって、僕たちはアス(Us)になったんだよ。

―― ハーモニカがいる5人のパート編成もかっこいいですね。

テオ ありがとう。このアイデアはドクター・フィールグッドに影響を受けたんだけど、ジェイムズ・コットンやリトル・ウォルターがハーモニカを吹いていたマディ・ウォーターズのバンドにも影響を受けているよ。そういうロックの文脈の中で、同じようなことができるんじゃないかと考えたんだ。

―― バンドを組むにあたり、目指したバンド像はありましたか?

テオ イメージとか、そういうことはあまり考えていないかな。僕らにとって一番大切なのは、音楽とルックスが正直であることで、作り物や計画的なものではないことなんだ。それが、自分たちを「Us」と呼ぶ理由でもある。これ以上、正直な名前はないと思うよ。

―― 今は、どんな時代の音楽も同じように聴くことができますが、ご自身はどんなふうに音楽に触れてきましたか?

テオ 多くは両親から受け継いだものになるんだけど、面白いことに、僕たちはその音楽が新しいものなのか古いものなのかなんて知らずに聴いていた。もし何か自分の心に訴えかけるものがあったり、親しみを感じたりするのであれば、それが昨日書かれた曲であろうと、70年前に書かれた曲であろうと関係ないんだよね。

―― 一番衝撃を受けた音楽との出会いを覚えていますか? 覚えていたら、そのときのことを教えてください。

テオ たくさんあるけれど、僕たち全員、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのウッドストック・フェスティバルでのライブ・パフォーマンスに魅了された時期があって。しばらくのあいだ、ステージに上がる数分前に、彼らが「I Want To Take You Higher」を演奏している映像をいつも見ていたよ。

―― メンバーの音楽性のバックグラウンドは似ていますか?

テオ パンとマックスと僕は、ミュージシャンの両親のもとで育ったからバックグラウンドも似ていて、いつもたくさんの音楽を聴いてきた。レーヴィの父親もミュージシャンだから彼も同じような感じだった。楽器は、マックスはたぶん3歳か4歳のときにギターを弾き始めたけど、他のメンバーは14歳くらいのときに始めたんだ。

―― アルバム『アンダーグラウンド・ルネッサンス』はダイレクトな生々しさがあって、まるでライブを体験しているようなアルバムだと思います。あらためてご自身の手応えはいかがでしょうか?

テオ とても満足しているし、きっと他の方法ではできなかったと思う。このアルバムに収録されているほとんどの曲は、スタジオで一緒にライブ・レコーディングされたもので、こういうやり方ができたことをとても嬉しく思っているんだ。それに、素晴らしいフィンランド人のプロデューサー、リク・マッティラにミックスをしてもらえたことも、信じられないほど幸運だった。

―― ザ・リバティーンズのスタジオで1日でレコーディングしたと聞きました。あの熱量の11曲を1日でレコーディングしたなんて驚きなんですが、レコーディングはどのように進められたのでしょうか?

テオ ありがとう! レコーディングを始めるにあたっては、アルバム1枚分の曲をレコーディングしようとは考えていなかったんだ。レコーディングしたいと思った曲を2、3回演奏して、次の曲に移るだけ。そうすることで、すべてが本当に自然で新鮮に感じられたんだよね。また、その瞬間に自分たちがふさわしいと感じた曲を演奏することで、アルバムのトラックリストが形作られていったんだ。レコーディング・エンジニアとして素晴らしい仕事をしてくれたジェイソン・スタッフォードに心から感謝しなくちゃね。

―― 曲作りで大切にしているポイントはありますか?

テオ 間違いなく、音楽的にも歌詞のレベルでも、曲は常に面白くなければならないと思う。どういうことかと言うと、曲を長引かせたり、不必要に長くしたりしたくないんだ。ダイナミクスもとても重要だし、いつも同じような曲を書かないということも重要だ。すべての曲は互いに違うものだと思いたいし、同じ構造を繰り返さないようにするという意味でもそうしてるよ。僕が曲を書くときはいつも、最初のアイデアを思いついた瞬間に完成させて、すぐに(自分のためだけであっても)完全なバージョンをプレイするようにしてる。その後、曲の準備ができたと感じるまで、パートや歌詞を書き直すんだ。

―― フィンランドからイギリスに拠点をうつしたことで、変化したことはありますか?

テオ それは僕らに大きな影響を与えていると思う。ライブシーンは素晴らしいから、さらに演奏するようになった。また、全国を旅して、まったく知らない土地に行くことは、間違いなく曲作りや人生全般の捉え方にも影響を及ぼしているよ。

―― フジロック'24に初出演になりますが、フジロックにどんな印象をお持ちですか?(※2024年時点でのインタビューです)

テオ バンドを結成する前からフジロックのことは知っていたから本当に夢のようだよ。初めてこのフェスティバルのことを知ったのは2013年で、ウィルコ・ジョンソンとゲイリー・クラーク・ジュニアが出演していることに気づいたときだったと思う。毎年ラインナップが素晴らしいから、リスナーとしてだけでもフジロックに行きたいと思っていたんだ。今年のラインナップに加わることができて、とても光栄に思っているよ。

―― 3日間のなかにはアコースティックセットもありますが、アコースティックでも普段よく演奏しているのでしょうか。

テオ バンドを始めたばかりの頃は、エレクトリック・ライブと同じくらいアコースティック・ライブをやってた。そうすれば、より多くの会場で演奏できるし、移動もとても簡単だったからね。今でもたまにアコースティック・ライブをやるけど、みんなとても楽しんでいるよ。実際、新曲ができるたびにアコースティックで演奏するようにしているんだ。そうすれば、曲自体がうまくいくかどうかがはっきりするから。イギリスでライブを始めた頃は、アコースティック・ギターとかが置いてあるカフェや小さなパブに行って、そこで演奏していいかどうかよく尋ねたりしていたね。

―― フジロックで楽しみにしている出演者はいますか?

テオ たくさんいるよ! レイ(RAYE)、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、フォンテインズ D.C.、クリストーン“キングフィッシュ”イングラム、クラフトワークなどなど。

―― フジロックのあとにはワンマン公演も決定と、盛りだくさんの来日になりそうですね。リスナーに向けてひとことメッセージをお願いします。

テオ そうだね! 東京で自分たちのショーをやるなんて、信じられない気分だよ! 皆さんにとって素晴らしい夏となりますように。そしてフジロックや東京で皆さんに会えることを楽しみにしているよ。アルバムを楽しんで、大音量で流せば、隣の人も楽しんでくれるはず。そうなるといいな!

―― メールインタビューに答えていただきありがとうございました! ライブを楽しみにしています。道中お気をつけて日本にいらしてください。

テオ どうもありがとう!

© 2025 DONUT


Us/Live at FRF'24 - Paisley Underground

LIVE INFORMATION

Fuji Rock Caling presented by Fuji Rock Festival
「Us(アス)Japan Tour 2025」

■ 2025年5月11日(日)梅田Shangri-la
Support act:天国注射(from Fuji Rock Festival 2024 ROOKIE A GO-GO)

■ 2025年5月12日(月)渋谷CLUB QUATTRO
Support act:HOME(from Fuji Rock Festival 2024 ROOKIE A GO-GO)
Special MC:魔将軍チャッキー(from Fuji Rock Festival 2024 ROOKIE A GO-GO)

■ 2025年5月13日(火)新代田FEVER
Additional Headline Show 単独公演

■ チケット:https://smash-jpn.com/live/?id=4379

■ Us(アス)インフォメーション
「usbandofficial」
公式サイト:http://www.usbandofficial.com/
日本公式サイト:https://www.sonymusic.co.jp/artist/Us/



Us/『Underground Renaissance』


Us/『We're Us! Live in Japan 2024 (Live) 』2025年4月23日リリース

SUPPORT ACT INFORMATION

【天国注射】

プロフィール:2021年結成、2023年1stEP「天国注射の一枚目」、2024年1stアルバム『春彦』リリース。

【HOME】

プロフィール:2020年結成。seigetsu(vo)、o-png(pc)、shun(gt)からなる、沖縄を拠点とする3人組。現行のインディーロックやクラブミュージックとも共振しつつも、普遍的なポップスを志向する。アジアをメインフィールドとしながら、その眼差しは世界へと向いている。

【MC:魔将軍チャッキー】

プロフィール:魔界からやってきた永遠の666歳。2017年の「FUJI ROCK FESTIVAL」ROOKIE A GO-GOオーディションに応募したところ、ROOKIE A GO-GO初の司会者として選ばれる。以降、コロナ禍を除き毎年ROOKIE A GO-GOの司会者として真夜中の苗場の森に出没している。音楽活動としてはフォークメタルバンド「JADE FOREST COMPANY」や、ホラーパンクメタルバンド「マモノ」などで人間界で活動中。

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