永松有斗夢(奏人心)「なぞる感覚と道標」
■永松有斗夢(奏人心)「なぞる感覚と道標」
若きオルタナ詩人 永松有斗夢が綴る福岡の街で生きる散文たち
●プロフィール:永松有斗夢(ながまつあとむ)/福岡の街を吹き抜ける突風のようなロックバンド 奏人心のベース&ボーカル。今年21歳になる若きオルタナ詩人。母国語は精神。有斗夢が描く新しいオルタナ日本文学は国境も時代も世代も超えるロックの化身。
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第4回
反射する
散文=永松有斗夢
2026.08.19 upload
蝉時雨が心地よく感じるのも最初だけで
最近はその命の声も少しうるさく感じます
俺がセミを知らなかったら超常現象のように
思うよ それくらいの音
森とお寺の横に住んでるからね
それで体を起こして
顔を洗いに洗面台へ
ふと鏡にうつる自分が不思議でたまらなくなった。 朝だから調子がおかしいのかな
目が動いたり
口が動いたり 怖くなる
鏡の中にいるように見えるのは反射しているから。
少し違和感に困る
違和感に好奇心を持つ
水面、ビルの窓、スマホ画面
月、金属、氷
反射する物が目に入るようになった
どうしてだろう
さかのぼる。
小さな頃よく鏡に向かって喋ったり
変顔したりして楽しんでた。
今はそんな事しないけど
皆んなスマホに反射してる
自分が踊ったりするのをよくTikTokとかInstagramで見せるよね。
後1時間ごとに瞬間を共有するアプリとか
加工したり良く見えるように
デザインしてる。
別に悪い事だって言いたいとかでもなく
最近まで分からなかった。
少し分かるようになった、
いつも歩く道に川がある
夜になると街頭で水面が隣のビルの壁に
美しくうつる
僕はそれに見惚れていた
それは揺れていて
綺麗な水面とは程遠いのだけれど
ずっと見れた
川よりそっちに目を奪われていて
朝も鏡に写る自分に目を奪われていた
やっぱり自分がどう見えているか気になるようだった。
電波の中の自分に皆んな姿形を奪われていて
反射する鏡や写す物が無くなれば
どうなるんだろう
光が消えて自分を写す物が無くなれば
どう自分をデザインする?
蝉は俺がうるさく感じても
鳴り止まない 暑さを皆んなが嫌っても
温度は下がらない
ふてぶてしい自分でいようかな。
© 2026 DONUT
INFORMATION

EP『kioku no naka』
2026年9月9日(水) CDリリース
収録曲:01.惑星の呼吸/02.小鳥/03.SAYONARA. /04. Ma魔法hou
CD予約リンク:https://soutosin.lnk.to/FSCR5

配信シングル「Ma魔法hou (single version)」
2026年8月5日(水) 配信リリース
収録曲:01.Ma魔法hou (single version)
DONUT INFORMATION
奏人心の初めての東京でのライブ写真
インタビューを8ページにわたって掲載!
DONUT 20は、Amazon、タワーレコード、ECサイトで注文できます
DONUT 20(表紙・巻頭:甲本ヒロト「旅をするレコード」)
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト、フラワーカンパニーズのグレートマエカワ、ザ・コレクターズの加藤ひさし による各1万字に及ぶ熱いインタビューを掲載。さらに期待のバンド、錯乱前戦、暴動クラブ、自爆、YAPOOL、奏人心が登場。レジェンドからニューカマーまでロックンロールの現在地をたしかめながら未来を先取りする珠玉のロックンロール号が登場!
【表紙はザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト】
今回のカバーはお気に入りのリロイ・カーのレコードを手に持って笑顔の甲本ヒロト。リロイ・カーの笑顔と甲本ヒロトの笑顔がシンクロするという表紙に(表紙撮影=柴田恵理)。
特設サイト:https://donutroll.tokyo/wd/20251110_donut20/
ARCHIVE
第1回:身体は精神を具現化する道具。
第2回:そう遠く無い未来
第3回:あのシーンをスローでもう一度。
第4回:反射する




